残業をしていた彼らが作業を終えたのは、もう11時近かったです。
変な連帯感のようなものも生まれていて、全員が「良かったー。」という安堵の顔をしています。
イケメンの兄さんが、「本当に遅くまでありがとうございました。」と丁寧にお礼を言い、このホテルを去りました。
残った僕と彼女は戸締まりをして、駐車場へと降りて行きます。
これから、約束通りに2人でホテルへと向かう訳ですが、僕の車はここに残すことにしました。帰宅をするつもりはないのです。
彼女と向かうのは、ここから15分くらいのところにあるラブホテル街。数件のホテルが連なっています。
車を走らせる彼女に、「ちょっと、コンビニに寄りたいんだけど。」とお願いをしました。
「お腹、空いちゃったー?おにぎりでも買おうか?」と聞かれましたが、欲しいものはそれではありません。
欲しかったのは、コンビニでは一度も買ったことのないもの。「下着」でした。
特にパンツはもう2日近く、これを履き続けています。
ホテル街に入ると、彼女の表情も変わりました。「後藤さん、どこがいい?決めて?」と言ってきます。
正直、僕もこんなホテルを利用するのは5年ぶり。なに食わぬ顔をして座ってはいますが、女性を抱くのもそれ以来なんです。
「私、あまりこういうところには詳しくないのー…。」と大橋さんも同様だと言います。
「じゃあ、そこ入りますか?」と見えただけのホテルに指をさし、入ることとなりました。
平日のホテルには空室が多かったです。なのに部屋選びがスムーズだったのは、2人ともに慣れてないから。
「この部屋でいい?」と聞けば、「いいよー。」と即の返事で、考えるほどの余裕もありません。
部屋に入ると、彼女に2日近くお風呂に入っていないことを伝えました。
彼女も、「あっ、そうなるよねぇー?」と言い、「もう気持ち悪いでしょー?」と気を使ってくれます。
「先にシャワーで汗流してくるー?」と言われますが、「出来たら、一緒に入りたいんだけど…。」と伝えました。
彼女は、「うん、わかったー。」と冷静な顔をして言ってはいますが、無理をしていることは一目で分かりました。
先にお風呂に入ったのは、もちろん僕です。シャワーを全快で流し、とにかくこのヌルヌルした感じをなんとかしたかった。
大急ぎで身体の汚れをタオルで擦り、シャンプーも高速で洗いあげます。
ただ、排水口に流れる垢の量を見ることはしませんでした。かなりのものだったと思います。
そんな頃、やっと悦子さんが姿を現せました。外から、僕の様子を伺ってくれていたのかも分かりません。
「もう、入ってもいい?」と聞かれ、「いいですよ。」と応えます。
ガラス越しの彼女はもう薄着姿となっていました。次つぎとそれを脱ぎ始め、全裸となったことが分かります。
すると、「後藤さん、あんまり期待なんてしないでよー?ひどい身体よー?」と言って、彼女はドアを開きました。
照れくささそうに、身体を屈めて浴室へと入ってくる彼女。低い身長が、更に縮んでいます。
想像してた以上に身体は細く、お尻もとても小さそうです。
ただ、少し心配をしていた胸には膨らみがちゃんとありました。たまにいる、極度の貧乳の女性ではなかったようです。
そんな彼女の顔にシャワーをあてると、両手を使って何度もぬぐっています。
髪は濡れ、その顔は僕の知る悦子さんではありません。
僕は彼女を抱き寄せると、唇を奪いました。彼女はそれに応えるように、僕を奪って来てくれます。
やっと分かりました。2人はこの時をずっと待っていたんです。
※元投稿はこちら >>