仕事一筋30年 家族の時間さえ犠牲にして会社に尽くしてきた私だが、そんな私の事を理解し支えてくれたのは五つ年下の妻である
私の社内での地位は彼女が与えてくれたものだと常々思い、妻への感謝の気持ちを忘れたことは無い
次男が独り立ちし子育ても一段落すると細やかではあるが平穏な日々が訪れた
だが平穏とは心にとって毒であり毒に犯された心に邪な考えが芽生えてしまうこともある
目に映るのはキッチンに立つ長年連れ添った妻、五十路を目前にした愛妻の後ろ姿を眺めながら私は一つの決心をした
会社帰りの密会、そこは飲食チェーン店の一番隅っこの席
「では、お伺いします」
そう言った男はまるで値踏みするかのような眼光で私を睨みつけてきた
「私の妻を寝取ってください」
「なるほど、一応聞きますが私の事を?」
「ええ、もちろん 伝説のモンスターディックそれが貴方ですね しかも寝取り成功率は100%、ミスターパーフェクト」
「ふっ たまたまですよ たまたま今まで失敗しなかっただけです それでミスターパーフェクトとか言われても困りますよ」
『ほう、自信家かと思っていたが謙虚な男だ』
「それで、引き受けていただけるのでしょうか」
「ご主人、私の事をご存じなら分かっていると思いますが 私のモンスターディックを経験した女は」
「はい、覚悟のうえです」
「わかりました、やってみましょう」
『もう後戻りはできないな・・・』
「それではお願いします」
「ご主人、最後に一つ」
「なんでしょう」
「ソフトらぶらぶコースとハードパコパココースどちらにしますか?」
『なんだと!?ソフトらぶらぶコースとハードパコパココース?興味をそそられたのはハードパコパコ・・・』
「ハードパコパコとは?」
男はハードパコパコの詳細を語りだした
その話を静聴している風に装っていた私だが実はテーブルの死角でチンポの先をジンジンさせている
最後に男は「口説き落とすまで少々時間を頂くことになる」と言い私は妻のパート先と「佐々木」の姓を伝えて密会は終わった
翌日の昼過ぎ、男から画像が添付されたメッセージが届き私の心臓が高鳴る
妻のパート先のレジが並ぶ様子をとらえた画像と【確認しました】というメッセージ
今ならキャンセルできるかもしれない そう何度も心の中で繰り返し何度もその弱気な心を払いのけた
「おかえりなさい、今夜はデザート付きよ」
「ん?どうした」
「ほら、駅前にケーキ屋さんができたの知ってる? 美味しいって聞いたから帰りに寄ったの あなた甘いもの好きでしょ」
「そうか、楽しみだな」
どうやら私をダシにして自分が食べたかったケーキを買ってきたようであるが、妻の笑顔を見て「それでもいいか」と心の中でつぶやく
知り合った時から今まで変わらない笑顔、その笑顔に私の心は幾度となく救われてきた
仕事を優先して家族との時間を疎かにしてきた私に対して不満が無いはずはない
それでも笑顔で「いってらっしゃい」と送り出してくれて 笑顔で「おかえりなさい」と迎えてくれる
私にとって彼女の笑顔は何物にも代えがたい心の支えである
だというのに官能的なアダルトビデオに毒され邪な欲望を抱いてしまった私は夫失格なのかもしれない
あの密会から3ヵ月、妻に変わった様子はない
あの男と何度かメッセージのやり取りをしたが毎回【順調に進行中】と同じ返事が返ってくるだけだ
当初の心の高ぶりも萎え始めたころ、不意に届いたそのメッセージが再び早鐘のように私の心臓を高鳴らせた
【今週土曜日、奥様とデートします その日のうちにヤリます】
飾り気も言い回しも無い直球で乱暴なメッセージ、高鳴る心臓が口から飛び出てきそうだ
「お買い物いってきます お昼は用意してあるから温めてね」
「ああ・・・」
あの男が我が妻を寝取ると宣言した土曜日が来てしまった
頭に浮かぶのは男が妻を抱く姿、男のイチモツを受け入れ悶える妻の裸体
覚悟を決めたはずなのに何度も何度も「今なら妻を呼び戻せる」と弱気な心が囁いてくる
飲食店であの男が語ったハードパコパココースが頭の中で何度も繰り返される
「それではご主人、ハードパコパコを説明しますがハードパコパコにはこれと言った形はありません
形が無いといっても大体の流れはあります
そうですね、先ずホテルの部屋に入ってからの事を順を追って説明しましょう
部屋に入ったら間髪おかずにソファーかベッドに押し倒します それで、そのままやっちゃいます 着衣姦というやつですね
余計なものは剥ぎ取らない、尻だけを丸出しにしたら後はバックで犯しまくるだけです
まぁ、相手も承知の上でホテルに入ったわけですから 勿論、それで終わりじゃないですよ
浴室・脱衣所・ベッドの上でハメまくりで女はイキまくりです 私は射精をコントロールできますからね
デカいだけではありませんよ
ほとんどの女は痙攣して動けなくなる、失神なんて珍しくない ですが、ここからがハードパコパコの真骨頂です
シャワーを浴びて帰り支度をさせて油断したところをもう一度押し倒し最後の着衣姦です
しかも、終わったらシャワーを浴びさせずに部屋を出て私が犯した身体のままお返しします
そうです、家を出た時の姿のまま犯し、家に帰る姿のまま犯すのです
ご主人、貴方が見送る奥様の姿、家に帰ってきた奥様の姿は私がレイプするが如く犯した奥様の姿ということになるのです
よろしいですか?」
その後、あの男のイチモツを確認したが噂にたがわぬモンスターディック
あのモンスターが我が妻の秘部を犯しまくることになると考えると・・・
何も手につかない、妻が用意してくれていた昼食も味が分からないほどの緊張が続く
妻が家を出て4時間が経った、時間は午後の3時
相変わらず私の心は振り子のように右へ左へと行き来している
まだ間に合うか もう手遅れか あの男に抱かれているのか まだホテルに入ってないのか
あの男に抱かれるつもりで家を出たのか そうではないのか・・・
迷いに迷った末、ようやく自分の本心に気づくことができた あれは気の迷いだった
家を出た時のまま、何一つ変わらないまま帰ってきてほしい
そんな願いを踏みにじろうとするかのようなメッセージがあの男から届いた
【今からホテルに向かいます 途中経過の報告は期待しないでください】
今ならまだ間に合う
そう強く思った時には携帯電話を手に持ち妻に電話をかけていた
出てくれ 出てくれ
鼓動を速めその心音に合わせるかのように何度も何度も願ったが耳に入ってくるのは呼び出し音のみ
それでも諦めずに電話をかけ続けた
あの男が説明したハードパコパコ通りならホテルの部屋に入った瞬間から始まってしまう
妻は即押し倒されモンスターに犯されてしまう
出てくれ 電話をとってくれ お願いだ・・・
1分呼び出し続けると留守電に切り替わりまたかけ直す 何度もかけたが妻は出てくれない
5分、10分 20分と時間は無常に過ぎてゆく
時間は午後5時、あれから2時間も経っている
手に握ったままの携帯電話には幾度となく妻に向けて発信した履歴は残っているが折り返しは無い
押し倒されたのだろうか あのモンスターに犯されてしまったのだろうか 今も犯され続けているのだろうか
浴室で 脱衣所で ベッドの上で・・・ 失神するまで・・・
いつも私に笑顔を向けてくれた女性、私を支え続けてくれた愛しい妻は今もなお男のイチモツに犯され続けているのだろうか
自分の無力さに打ちのめされているとき、あの男から2度目のメッセージが届いた
【奥様が失神している隙に撮った写真を送ります PS 奥様の帰りは夜遅くになります】
緊張しっぱなしだった体から力が抜けた、手遅れだった そんな写真は見たくない
私は何てことをしてしまったのだろうか、一時の気の迷いで愛する妻を他の男に、それもケダモノのような男に差し出してしまった
後悔してもしきれない 間違いをおかす前まで時間をさかのぼりたい だが、もう何もかも手遅れだ・・・
「ただいまー 遅くなってごめんね」
「え?」
「ん?どうしたの?」
「あ、いや・・・なんでもない・・・ それより、電話したんだけど」
「あ、ごめん うるさかったからマナーモードにしてた」
『うん、そういうところあるよな・・・ おまえ・・・』
「なにかあったの?」
「ああ・・・ ちょっと車のキーが見当たらなくて 見つけたけど」
「それより これ これ見て、買っちゃった」
「おう・・・」
「どお?」
「うん、似合うと思う」
『そんなことより、どういうことだ?どうなってるんだ?』
上機嫌の妻の目を盗み送られてきた画像を見てみた
『んー これ誰?』
「なあ、おまえのパート先に「佐々木」って名字の人いる?」
「うん、いるよ だから私の名札には「佐々木(ま)」って書いてあるの それがどうかした?」
「いや、佐々木って名字多いよな・・・」
「だよね」
『成功率100%の男って聞いていたが まぁ、よかった』
リビングで妻が買ってきたワンピースのお披露目会が行われ私なりに最大の賛辞を送っているとき
携帯には【あなたの奥様は明日の朝に返します】というメッセージが届いていた
翌朝の早い時間、窓を覆うカーテンが昇る陽の光に照らされ始めた頃、あの男から画像と共にメッセージが送られてきた
【昨日から抱き続けた奥様は今脱衣所で帰り支度をされています この後は最後の着衣姦です PS お掃除フェラを初体験していただきました】
画像の内容は見なくても大体わかる 妻の同僚で私の知らない「佐々木さん」の裸体なのだろう
しかし驚いた昨日メッセージが届いてから12時間以上経っている
『あの男、イチモツだけでなくスタミナもモンスター級だったか』
賞賛の文言を綴ったメッセージを送った後は妻の寝息に耳を傾けた
年甲斐もなく一晩で三度も妻を抱いたのは数時間前の事、私の腕の中で何度か絶頂を迎えた彼女は直ぐ傍で眠っている
『もうひと眠りするか 明後日は筋肉痛だろうな・・・』
おしまい
※元投稿はこちら >>