カイトとの音信が途絶えた。
ここ二日間、カイトからの連絡は無い上に、
電話も繋がらない。
どうしたのだろう?
何かがおかしい、、、
ナナはスマホの通話記録をあらためて見直ししてみた。
あれ、、、これって、、、
記憶に無いカイトへの通話がある。
この日は、、、確か、、、えっ、、、まさか、、、
急に得体の知れない不安感に襲われる。
シンジとセックスした日、、、
カイトに電話した覚えはなかった。
考えられることは、シンジしかいない、、、
まさかと思いながらカイトの部屋へと向かう。
部屋は引き払われていた。
ナナの知らないところで状況が急変していることにようやく気付く。
わたしは今、大切なものを失おうとしている。
そんな予感をヒシヒシと感じていた。
カイトの会社へと連絡する。
もう最後の手段といっていい。
カイトはなんと会社を自主退職していた。
もう間違いは無い。
通話記録に残されていることが原因だ。
シンジへ電話をして何をしたのか問い詰めた。
思ってもいない応えが帰ってきた。
シンジとのセックスの一部始終をカイトに聴かせたと。
ひどい、、、どうしてそんなことを、ナナはシンジをなじった。
それに対して、シンジはお前は俺のものだということを教えてやったと開き直った。
ナナは電話を切った。
いつしか嗚咽が漏れ、涙が溢れてきた。
大切な人を失ってしまう。
大好きな、愛しているカイトを傷つけてしまった。
姉のことがあったばかりなのに、、、
わたしは酷い女だ。
自分は違うと思いながら、結局は同じことをしてしまった。
もの二度と逢うことは出来ないかも知れない。
ようやく振り向いてくれたのに、、、
長年の気持ちが報われたのに、、、
ずっと求めていた人を手に入れることが出来たのに、、、
すべては自分の愚かさが原因だ。
逢いたい、、、
とにかく逢って、本当の気持ちを伝えたい。
きっとカイトは許してくれないだろう、、、
それでもいい、、、
もう一度だけでもいい、、、
ひと目だけでも逢いたい、、、
ナナは涙を流し続けた。
つづく
※元投稿はこちら >>