並んで座る二人は飲みながら話をした。
「ナナちゃん、益々キレイになったよな、、、」
「またまた、、、いきなり、お世辞?」
「ううん、、、本当だよ、、、お義兄さんは嬉しいよ、、、」
「もう、、、本気に聞こえないよ、、、このぉ、、、」
ナナがバシバシと肩を叩いてくる。
お互いに酔っていることもあって話もはずみ、ナナはカイトにしきりにボディタッチを繰り返していた。
そしてカイトは、その仕草でも揺れてしまう胸と覗ける谷間に視線を奪われてしまう。
ナナはそんな義兄の視線に気付いていた。
こうして義妹としてではなく、女として見られることが嬉しかった。
もちろんそれは相手が他ならぬカイトだからだ。
わざと谷間を強調し、何気に胸をカイトに押し付けていく。
顔が赤くなってしまうが、それも酔いのせいとゴマかせる。
「お義兄さん、、、姉さんが心配していたよ、、,元気がないって、、、仕事が大変みたいだって、、、」
「ふーん、、、仕事か、、、」
カイトの言葉にナナが反応する。
「違うの?仕事以外に何か悩みでもあるの?」
思わず、溜め込んでいる鬱屈を全て吐き出したい気持ちに駆られてしまう。
でもそれは出来ない。
ナナはリリナ側の人間だ。
そう、、、リリナと別れたら、、、もうこうしてナナと過ごすことも無くなる。
急に寂しさがこみ上げる。
「ナナちゃんには言えないよ、、、」
ナナは勘がいい。
それだけで何かを察したようだ。
「ひょっとして、、、姉さんのこと?」
「それも、、、言えない、、、」
「お願い、教えて、、、わたしに出来ることなら何でもするから、、、姉さんと何があったの?」
「ナナちゃんは知らない方がいい、、、」
「やっぱり姉さんが、、、何かした、、、、まさか、、、」
思い当たってしまったのかも知れない。
しかし考えてみれば、いずれは知ることになるのだ。
「絶対秘密にする、、、誰にも言わない、姉さんにも言わない、、、だから教えて、、、義兄さん、お願い、、、」
必死に訴えかけてくるナナにカイトは負けた。
本当は自分を苦しみをずっと誰かに聞いて欲しかった。
カイトは全てをナナに打ち明けた。
「ウソ、、、姉さんがそんなこと、、するなんて、、、」
ナナは酔いが醒めたようにまっ青な顔になっていた。
「俺だって、初めは信じられなかったよ、、、」
「、、、証拠はあるの?」
「ある、、、でもナナちゃんは見ない方がいい、、、」
「いやよ、、、見せて、、、わたし証拠を見たい、、、」
しょうがない、、、
カイトはスマホを渡した。
「これを見ればわかる、、、でもここでは見ない方がいい、、、それにイヤホンで聴いた方がいい、、、」
それはリリナの情事の映像だった。
つづく
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