しかもリリナはこの男を結婚式に招待までしていた。
上司としてスピーチまで頼んで。
そして下品な下ネタをぶち込み、みんなの失笑を買っていた。
空気を読めないクズのような男。
そんな男とリリナは浮気をしていた。
リリナはいったいどういうつもりだったのだろうか?
リリナを疑うことも無く、カイトは浮気のことなど気付きもしなかった。
それなのにリリナはこの醜い男と関係を結んでいた。
ただし、その関係は結婚後は一端途絶えていたらしい。
よりを戻したのは最近のことらしいと調査員は言っていた。
とにかく調査が済むまで、妻には気付かれないようにと再びアドバイスされ、事務所を後にした。
気持ちが沈み込んでしまう。
妻をもう何も信じることが出来ない。
あなた以外の男に指一本触れられるのもイヤ、、、
そう言っていた妻はもうどこにもいない。
以前に増してまとわりいて来る妻が煩わしく、気味の悪さまで感じてしまう。
それでいて他の男たちとの関係を平気で続ける妻。
本当のお前を知っているんだぞ、、、
そうなじってやりたい気持ちを必死にこらえる。
もう妻を抱く気にもなれない。
ても触れたくない。
仕事の疲れを口実に夜の誘いを断り続ける。
それでもイチャついてくる妻が煩わしい。
妻を避けるために残業を増やし、接待だと言って飲み歩く日々を送った。
マズいかなと思いながらも、そうせずにはいられない。
そしてなんとか妻への態度に冷たいものを感じさせないよう気を遣う。
それも調査がすべて終わるまでだ。
早くすべてを終わらせたい。
カイトには耐えるしかなかった。
つづく
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