週明け、出社した俺は心の中で叫んだ。
もちろん歓喜の叫びだ。
勝利の雄叫びだ。
明らかに雰囲気が変わっていた。
まるで憑き物が落ちたかのような雰囲気だ。
艶やかで卑猥なオーラを纏っている。
視線はこっちに向いていないが、明らかに俺を意識しているのがわかる。
何かを期待している、恐れながらも待ち望んでいるのが伝わってくる。
まだたった5日しか経っていないのに・・・・
この週末に何があった・・・・
諦めたのか・・・
受けれたのか・・・
いろんな考えが頭の中をぐるぐると回った。
気づけば、俺は久美子に向かって歩いていた。
同僚に囲まれる久美子に声をかける。
「ちょっといいかな・・・資料室で手伝ってほしいことがあるんだけど・・・」
周りの数人は少し怪訝そうな顔をしたが、すぐに通常業務に戻っていった。
俺達は見つめあい、無言で事務所を出る。
廊下を歩き、階段を上り、資料室の鉄の扉の中に入っていく。
※元投稿はこちら >>