⑮…
商店街にある喫茶店で珈琲を飲みながら、ホッと一息つく健子…
さっきまでの暗い感じから…いつもの明るい調子に戻り…対面の席に座っている相手と微笑みながら喋っていた…
店の従業員は…その様子を…不釣り合いな夫婦?美人な奥様になんで?ただの知り合いかしら?こんな冴えない太った男が…そんな感じに見て思うのだ…
久雄「元気なさそうに歩く後ろ姿だったんで…思わず声を掛けてしまいました…でも…いつもの素敵な笑顔が見れて安心です…(その事務服で茶髪の後ろを結んで…身体つきとか…お尻で…すぐに洋輔君のお母さんだってわかっちゃった)」
健子「あら…素敵な笑顔だなんて…なんか照れますよ…ウフフッ…それより…本当にありがとうございました…熊野先生に色々と…」
久雄「いっ…いえ…洋輔君の事を考えれば当然の…(ぼっ…僕が女子トイレで…あなたのウンコのにおいを嗅いでたりしなければこんな事に…)」
そう言って健子から視線を逸らし、慌てたように目の前の珈琲を飲む久雄を見て、本当に真面目で優しい人なんだなと思う健子であった。
健子「実は…久志君のお父さんが言ってた通りなんですよ…ちょっと…色々あって…考えながら歩いていたんです…なんだか疲れて…」
物悲しげな雰囲気を漂わせて…窓の外を眺めながら喋る健子…その横顔に見惚れて間抜けな顔で見つめる久雄…
その時…持っていた鞄の中にある袋がガサッとなり…健子に会う前に…ビデオショップで借りた熟女物のAVを思い出してしまう…
久雄「…(今日も…洋輔君のお母さんを妄想してエロビデオ借りたけど…あぁ…やっぱり本物は違う…エッ…エッチなことしたい…ハァハァ)」
健子「あっ…ごめんなさい…私ったら…なんか暗くしてしまった感じで…そろそろ帰りましょうか…」
もっと…もっと健子と一緒にいたい…その気持ちが強くなった久雄が…
久雄「少し…僕と遊びに行きませんか…そうだカラオケとか…やっぱり元気がないのは心配なんです…放っておけないと言うか…」
勇気を出して…初めて自分から女性を誘ったのだ…
内心…断れるのは当然だと思っていたのだが…
健子「なんか…楽しそうですね…カラオケかぁ…しばらく行ってないし…気晴らしにいいかも…」
……
………
今日だけで色々と悩ましいことがあり、本当に気晴らしだけのつもりだった…
自分の車を商店街の駐車場にとめたまま…久雄の車に乗り…町外れにあるカラオケボックスに向かっている…
車内で…旦那の洋一郎への不満や息子の洋輔を指導する熊野への文句を久雄に喋ってしまう…
それを…真剣に聞いてくれる久雄に…健子は心のやすらぎを感じてしまうのだった…
田舎にあるカラオケ店は、独立した幾つかの小屋になっていて、その1室で2人で盛り上がる中年男女…
健子「久志君のお父さん…凄い上手…なんか聞いてて気持ち良いですよ…ウフフッ…あっ…ちょっと…私…家に連絡しないとだったわ」
部屋を出て…カラオケ店にある電話から家に連絡する健子…受話器から聞こえてきたのが洋輔の声で…少し安心してしまう…そして…家族に初めて嘘をつく…
洋輔「別に仕事の仲間と食事は構わないけどさ…それより…学校で具合悪そうだった…僕…心配してたんだよ…」
健子「ごめんね…ちょっと調子が悪かっただけだから…あっ…あのね…お父さんに…」
旦那と話すことに躊躇し…息子に伝言を頼もうとしたのだが…
洋一郎「聞いてたよ…職場の人と食事ねぇ…また急にだな…もっと早く言えないのか…こっちだって…」
受話器の向こうから…少し苛ついた口調で喋る声…それを聞いただけで朝に哲治が言っていたことが頭に浮かんでくる…
洋一郎「健子…聞いてるのか?」
健子「あのさ…昨日の夜に若い女の子がいる店で…はしゃいでた人に…言われたくないんですけど…」
洋一郎「なっ…哲だな…あいつ喋りやがって…あれは…」
健子「今日は…ちょっと帰り遅くなります…」
洋一郎の言い訳を無視するように電話を切り…旦那に対しての怒りで顔が強張る健子…
健子「…(何なのあいつ…急に喋ってきたと思ったら…あの感じ…本当に腹が立つわね)」
部屋に戻り…久雄の隣に座る健子…驚く久雄に構わず身体を密着するように彼の方に寄せる…旦那へのあてつけのつもりなのだ…
健子「ねぇ…久志君のお父さん…デュエットしましょ…何がいいかな…なんかラブラブのやつとか…ウフフッ」
久雄は…もうカラオケなんてどうでもよかった…健子と密着して座る状態に興奮が止まらずにいる…
久雄「いっ…いいですね(あぁ…洋輔君のお母さんが近い…ハァハァ…いい匂いがする…我慢できなくなりそう…)」
すぐ隣で歌っている健子を見てしまう久雄…目が合うと微笑む健子…久雄の理性がどんどん溶けていく…
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