②…
その前日…
田舎町にある普通の一軒家…そこに住む、ごく普通の仲良し3人家族…いつも和やかな雰囲気が漂う温かみのある家庭…
その家で、いつも通り3人で夕食をとっていた時、良妻賢母と言っても間違いではないであろう女性が、珍しく不満を漏らしていた。
健子「そんな急に…明日…学校に来いって?皆…その時間だと忙しいと思うんだけどなぁ…お母さんだって…仕事が終わってから間に合うか微妙だよ」
困ったような表情で、そう言う母親に対し、1人息子の洋輔が真剣な顔で答える。
洋輔「せっ…先生が、僕達が強くなる為には、親の協力が必要なんだって…その説明をするって言ってた…確実に伝えろって…なんか…ごめんなさい」
健子「ウフフッ…洋輔が謝ることじゃないでしょ…う~ん…前の先生は、絶対に、そんな自分勝手な事を言わない人だったのにね…本当に残念だわ」
健子の旦那であり、洋輔の父親でもある細身の身体に色白で弱々しい感じの男が、2人のやり取りを見て口を開く…
洋一郎「工場でも…新しくきた先生の悪い噂しか聞かないし…なんか…とんでもないらしいね…俺、明日は帰り遅くなるから…ごめん健子」
健子「やだ…2人とも謝らないで…大丈夫よ…間に合うように行くから…それにしても、先生に文句の1つでも言ってやろうかしら…ウフフッ」
洋輔「お母さんやめて!先生は、厳しくて…無茶なことを言ったりするけど、柔道を教えるのは凄い上手いと思う…だって、僕…確実に強くなってるって実感があるんだ…本当に柔道するのが楽しくて…」
いつもは、物静かな息子が初めて熱く語っている…
健子「そっ…そうなんだ…よかったね洋輔…楽しいって思って、それに打ち込めるなら…素晴らしい事じゃない…お母さんも嬉しいわよ」
幼馴染みで同級生の洋一郎と結婚したのが21歳の時、なかなか子宝に恵まれずに、30歳を迎えて、やっと授かった新しい命…
そういった理由もあり、健子は、1人息子の洋輔を溺愛して大切に育てた…
あんなに小さかったのに…身体はもちろん…気持ちも…どんどん大人になっていく…子供の成長を嬉しく思う一方で、健子は、少し寂しさを感じてしまっている。
健子「私も、お父さんも、全力で洋輔の柔道を応援するからね…」
気づけば自分も今年で45歳になってしまう…目尻の皺が気になるし…ほうれい線も…
いつも応援にくる他の柔道部員の親達は、どうみても自分より若いのだ…ただ1人を除いてだが…
健子「そういえば…久志君って洋輔と同じ2年生よね…この前、学校で校長先生が柔道部の今後を説明してくれたでしょ…隣に座ってたのが久志君のお父さんでさ…私、いっぱい話したのよね」
洋輔「あぁ…久志か…頑張ってるけど上達しないんだよな…あいつに負けた事ないし…」
それを聞いて、面白くない表情の洋一郎が喋り出す…
洋一郎「そのお父さんって…どういう人なんだ?もしかして…色男とか…」
洋一郎の顔を見て思わず笑ってしまう健子が、それに答える…
健子「やだ…なぁに…あなた…いい歳してやきもちとか…ウフフッ…全然そんなんじゃないから…周りの皆がね私より全然若いじゃない…久志君のお父さんって…多分、歳上なのかな…なんか話しやすかっただけよ…」
本当に何の問題もない…平和な家族だった…それが…少しずつ狂い始めていく…
次の日…
すっかり日が暮れて、薄暗くなった中学校の校舎内…ウェーブパーマをかけた茶髪を後ろだけ結び、その髪を揺らしながら小走りする仕事着のままの女性がいた。
健子「え~と…あそこね(遅れちゃったよ…あんなに気をつけていたのに…しっ…仕事なんだから仕方ないよね…)」
健子は、病院で医療事務の仕事をしていて、平日のほとんどを制服のまま過ごしている。
白い長袖のブラウスの上に、ピンクでチェック柄のベストを着て、膝丈の黒いタイトスカートを履く…
そのスカートの尻を、周囲の男達が卑猥な目で見ていることに気づいておらず、当の本人は、視線を向けてくる相手に愛嬌を振りまくように微笑むのだった。
若い時は細かった体型が、年齢を重ねて程よく肉がつき、太ったという感じではなく、熟女特有のなんともいえない丸みを帯びた身体に…
健子のスカートを張ってしまう丸い尻や、ベストとブラウスの下に隠れている、それなりに大きな膨らみをみせる胸の部分は、人妻熟女が好きな男達に、たまらないといった感情を持たせてしまう。
健子は、性に対して無頓着と言っていいほどで、洋一郎との夜の営みも淡白なものでしかなく、息子が成長するにつれ、その回数もめっきりと減っている。
小さい頃から、ずっと一緒にいた旦那である洋一郎しか男を知らないのだから、そういうものなのだと思って過ごしてきた…
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