⑪…
洋一郎と腕を組んでいる健子が気になり、何度もチラ見する久雄…
久雄「…(仲良しなんだ…旦那さんが羨ましいな…僕も腕を組んでもらいたい…あっ…そうじゃなくて…昼間の事を言わないと…)」
久雄は…健子が柔道場から帰ってしまった後の…熊野とのやり取りを思い出す…
自分のせいで熊野先生が変態扱いされ…怒っていた洋輔君のお母さんが帰ってしまう…先生と揉めることが…後でどうなるのか…あの教室での出来事を知るかぎり…洋輔君は柔道部から…
久雄は…そう思うと…怖かったのだが…勇気を出して熊野に話しかけた…
真相を知った熊野は…怒るどころか爆笑して…久雄の肩を叩きながら言うのだ…
熊野「あんたも…どがつくほどの変態だな…女子トイレで…あの奥さんのウンコの匂いを嗅いでたとか…うける…アッハッハ」
てっきり殴られるかもしれない…そう思っていた久雄は、予想外な熊野の反応に呆然としていた。
熊野「あんた…あの奥さんに惚れてんだろ…どうだった惚れた女のウンコは…臭かったんだろ…教えろよ…あんたの気持ちを正直に話してくれたら…洋輔のお母さんや洋輔だって…何もなかった事にしてやるよ」
熊野に遊ばれているとも知らずに、久雄は、正直に全てを喋ってしまう…
熊野「そうか…そうか…あの奥さん美人だし…愛嬌があって…45歳のエロい身体つき…あんたがそうなっちまうのも仕方ないさ…」
久雄「……(確か先生も僕と同じ50歳だったはずだし…洋輔君のお母さんのこと…この人もそういう風に…なんか急に親近感が…)」
熊野「しっかし…エロビデオも奥さんに似た熟女の女優さんを探して…それで毎晩オナニーしてるとか相当だな…面白い話を聞かせてもらったから…約束は守るよ」
熊野の言葉に安堵して笑顔になる久雄…
そんな久雄を見て、熊野は、更に言葉を続ける。
熊野「あの奥さんに言ってやりなよ…自分がなんとか先生に頼んで…洋輔を辞めさせないようにしたって…あんたの株が上がるぞ…トイレの事は…そのまま俺がいたことにしていいからな」
久雄は、何度も熊野に頭を下げて、謝罪と感謝の言葉を繰り返す…熊野が面白がっているだけなのを気づかずに…
そして、熊野が練習の終わりに洋輔を呼んで、何かを話していたことも知らない久雄であった。
……
………
健子「久志君のお父さん…ちょっと…」
一緒にいる洋一郎と久志から少し距離を取って2人は話す。
健子「途中で帰ってしまって…本当にすいません…あの人がどうしても許せなくて…あっ…あの後どうでしたか…やっぱり洋輔に何か影響が…」
久雄は…熊野に言われた通りに喋る…少し不安そうな顔をしていた健子が…いつもの調子の微笑み顔に戻った…
健子「えぇ~!そんな…本当にありがとうございます…もう感謝しかないですよぉ…今度…何かお礼をさせてください…久志君のお父さんって…とても頼りになる人ですよね…ウフフッ」
久雄「いえいえ…(洋輔君のお母さんの顔が近い…ハァ…ハァ…キスしたいって思ってしまう…)」
そんな2人の耳に…急に大声が届く…
洋一郎「おい!健子!何してるんだよ!早く行くぞ!いつまで喋ってるんだよ!」
久雄もそうだが、健子は、これまで聞いた事がない、旦那である洋一郎の命令するかのような怒声に驚き、えっ…という顔で声の主の方を向くのだった。
あからさまに機嫌の悪い顔…いつも温厚な洋一郎がそんな顔をするのは珍しく…少し慌てる健子の腕を引き…その場から離れようとするのだ。
健子「ちょっと…あなた…まだ話が途中…痛いってば…久志君のお父さんに失礼でしょ…」
洋一郎「……(なんか…凄い腹が立つ…あのお父さんが健子を見る目…絶対にエロい目で見てるだろ…健子もなんであんなのと…仲良さそうに…)」
久雄と久志の前から…仲良さげにしていた夫婦が…急に揉めるように離れて行く…
久志「おじさん…なんか怒ってたね…ところで父ちゃん…おばさんと何を話してたの?」
久雄「ん?柔道部のことだよ…」
久志「おばさん…今日さ…柔道部の皆に凄い人気だったよ…美人で可愛いって…優しいし…そっ…それから…なんかエロいって…僕も…あんな人がお母さんだったら良かったって思う…」
久雄「お前…エッ…エロいとか言うなよ…それに母さんが可哀相だろ…(そうだな…洋輔君のお母さんが妻だったら…いっぱい子作りして…大家族になってたかもな…)」
そんな会話をする父と息子が…離れていく健子の後ろ姿を眺め…卑猥な妄想をしているのだった…
久雄は…まさか自分の息子まで…健子を見て性的な興奮を抱いていたことに…少し驚くのだった…
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