次の日曜日、幸斗はこの間の駐車場でウォーキングの準備をしていると、同じようにスポーツウェアに身を包んだ舞子がこちらへと歩いてくる。
「この前はありがとうございました、これ先日のタオルと、これは良かったらどうぞ」
舞子が手渡したのは先日幸斗が貸したタオルと、今治産だという小さなハンカチだった、ハンカチには愛嬌たっぷりの可愛らしいパンダの絵柄が描かれていた。
「いいんですかこれももらって、眺めてると癒されますね、それとコースの案内だなんて無理言ってすいません忙しかったんじゃ、大丈夫ですか」
「いえ大丈夫です、私がいつも歩くコースでいいですか」
「はい、よろしくお願いします」
2人は歩きながらも、会話を進め互いの事を語り合った。
舞子は四十代も半ば、夫は長年単身赴任でお盆とお正月に帰省するくらいだという、1人娘も成人してからは隣町で1人暮しを始めた為、舞子はマンションで1人暮しだとの事。
健康の為にと以前はジムに通っていたがコロナで閉鎖した為ウォーキングに切り替えたとの事だった。
舞子は小柄な体型にもしっかりと背筋は伸び、端正な顔立ちとショートカットの髪型は清潔感に溢れ、一見すると生真面目に物静かな女性に見えていた。
ただ、整った唇から発せられる穏やかで優しい口調と、引き締まった目元も笑うと優しく緩む笑顔に、幸斗は可愛らしさと親しみを感じていた。
幸斗は自分が長年独り身である事を話し、舞子を妻とする旦那を羨ましがった。
「旦那さんとも仲がいいんでしょうね」
「そんな事、もう20年もなりますから‥なんだかね」
久しぶりに旦那以外の男性との会話に舞子も新鮮味を感じ初めていた。
秋とはいえこの日は気温も高く、ウォーキングを終えていつもの公園に戻ると2人共すっかり汗ばんでいた。
「暑いですね、車のエアコンかけますので、中で‥」
「あっ、はい」
幸斗は車に入るなり下着替わりのTシャツまで脱ぎ、上半身裸でタオルで身体を拭き始めた。
久しぶりに見る夫以外の男性の裸に舞子は目のやり場に困らせていた。
男性の上半身裸程度なら、例え他人でもスポーツや日常でもよくある事、ただ密室の2人だけの車内、舞子は意識せずにいられなかった。
幸斗は痩せてはいたが、要所に見える男らしい筋肉質の身体、舞子は顔の火照りを隠すようにタオルで顔を拭いた。
幸斗もまた舞子を意識していた。
舞子の身体はジムにも通っていたせいか、四十も半ばだと言うのにスラリとしたスレンダーな体型を維持していた、それでいて服の上からでもわかる柔肉を思わせる胸元、また腰から尻、太腿にかけては成熟した女性の滑らかなS字の曲線にいやらしく目で追ってしまう。
先程から舞子は顔や首筋をタオルで拭いている、その首筋から鎖骨へかけても綺麗な湾曲を描きいつまでも眺めていたいと思うほどだった、そして、流れる汗すら舌で舐め尽くして、その肌を味わってみたいと思い始めた。
普段は真面目に振る舞う人妻、だが、健康な肉体を持つ男女なら誰しもが求める性という欲求、一度許せば、その果てない快楽を求め、隠された淫らな姿を晒すのだろう。
この舞子と言う人妻もまた‥雪斗は彼女のそんな姿を想像していた。
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