「冗談キツいって」
「困ってんじゃん、中谷さん」
〔ほ、ホントよノリちゃん〕
〔憧れてたなんて言っちゃった私が悪かったの、ごめんなさいね〕
『冗談でも無いし』
『酔っぱらっても いません!』
〔ごめんなさい〕
〔やっぱり帰るわ 私〕
『そうじゃないの‥』
『帰らないで‥』
『分かるのよ‥、私も‥』
『どうしようもなく‥』
『なんて言うの?、淋しい時あるわよね?、どうしようもなくさ‥』
『でなきゃ私だって あんな佐山なんかに つまずかなかったわよ』
〔ノリちゃん‥〕
『てかさ、好みでしょ?ケンちゃん、由美ちゃんみたいな人』
『さっきから ずっと谷間ばっか見てるもん、でしょ?』
確かに コートを脱ぎながらベランダから帰ってきた時、大きくあいたニットの胸元 その谷間に 目を奪われていた。
『大好きなんだよね?、ポッチャリさん、でしょ?』
「ん?、うん、まぁね」
『で?、どうだった?、由美ちゃんのお尻は‥、どうだったの?』
「どうだったの?、って‥」
〔‥そんな〕
〔私、ただデブなだけで‥〕
『‥デブなだけで?』
『そんな事言うわりにはさ、そのニットにしたって タイトスカートにしたって、随分アピールしてるんじゃない?、今日の由美ちゃん』
〔アピールって そんな‥〕
『いつだったかね、聞いた事が有るの ケンちゃんに、好みの女性は?、って』
『何て答えたと思う?、女性なら‥、って答えたのよ、信じられる?』
『容姿は?って聞いたらさ、まずケツ!ケツはデカいに越した事はないんだってさ』
『で、前に回って おっぱい、それから靴、靴から少しずつ上に上がってって 顔は1番最後なんだって』
『ね?ケンちゃん?、そう言ってたよね?、おっぱいもデカいに越した事はないって、ね?』
『で?、どうだったの?、正直におっしゃい!』
「ん?、うん、その‥」
『その?』
「魅力的ですね‥」
『‥だって、由美ちゃん?』
『帰る?、それでも』
〔それでも‥、って、そんな‥〕
「ちょッ、宮本さん、強引だよ」
「強引って言うか メチャクチャだよ言ってる事、分かってる?」
『分かってるか?って?』
『馬ッ鹿じゃないの?、分かってる訳ないでしょ?、酔っぱらってんだもん』
『でもね、分かってる事も有るわ、触ってみたいな てか揉んでみたい 由美ちゃんのオッパイ!』
『ほら!、私 無いから!』
と、宮本さんは 両手で胸を持ち上げて見せている。
〔酔ってるの?、ノリちゃん?〕
『そうよぉ!』
『ちゃんぽんさせた由美ちゃんが悪いんだかんね!、ちゃんと責任とんなさいよね!』
と、宮本さんが立ち上がったものだから、まるでシーソーの様に 椅子の端に座っていた俺が 転げ落ちそうになった。
普通、こたつ式のテーブルは 椅子が4つかもしれないが 俺達はあえて 椅子が2つで残りの2つ分は長椅子タイプを選んだ。どうせ普段は2人なんだから‥、と。
『責任とってよね?』
そのまま 宮本さんは 中谷さんの隣の椅子に座った。
『あら、ワイヤー。ブラトップじゃ無いんだ?』
宮本さんは さっき自らにしていた様に 両方の手で タプタプと中谷さんの胸を揺すっている。
〔ちょっ、ノリちゃん?〕
〔やめて、ね?〕
『や め な い』
今度は その谷間に 手を差し入れようとしている
「宮本さん?」
「酔っぱらってたじゃ済まなくなるよ、そっから先は、分かってる?」
〔ね?、ノリちゃん?〕
〔板橋さんだって‥〕
『うるさい 口ね‥』
中谷さんの言葉を遮る様に 宮本さんは 唇で唇を塞いだ。
だが意外にも、(チュッ)っと軽くキスをしただけで ジっと中谷さんを見つめている。
そして‥。
そして もう一度 唇を重ねた。
※元投稿はこちら >>