約束通り、昼前にりくはやってきた。
りくは以前、何度か初音の家に上がったことがある。
初音はりくを迎え入れた。
挨拶を交わして、りくの目が初音の体に釘付けになる。
胸と谷間を見つめてくる。
ああ、りく君、見てる、、わたしを見てる。
初音は気づかない振りをして、リビングへ案内する。
後ろからついてくるりくの視線を感じる。
背中のブラのライン、そしてヒップとショーツライン、初音はわざとお尻を振りながら歩く。
りくのツバを飲み込む音が聞こえた。
初音はりくを席に着けると、今、出来たところだから待ってと告げる。
初音は料理を運び、りくの向かいに座った。
「パスタでよかった?」
「パスタ、大好きです。」
「よかった!りく君、遠慮しないで食べて。」
「はい、いただきます!」
りくは嬉しそうに食べ始めた。
「すごく美味しいです。」
りくの若い食欲を嬉しそうに見つめながら初音が訊ねた。
「今日はなんと言って家を出て来たの?」
「友達のところに行くって、言ってきました。」
「そうなんだ、、、」
本当に気が利く子だ。近所の人たちに変に思われたくない。
二人は食事を終えた。
片付けを済ませ、コーヒーを飲みながら初音は話かける。
「りく君って、彼女がいるの?」
「いいえ、、、いません、、、」
「本当に?りく君、人気あるでしょう?」
「そんなこと無いです。でも、ちょっと同年代の女の子たちは苦手です。」
「ふーん、本当かなー?りく君すごくモテるって話聞いてるよ。まあ、いいや、で、好きな人はいるの?」
「、、、います、、、」
りくが顔を赤くして答えた。
「えー、教えて!誰なの?どんな人?」
「そんな、、言えません、、、」
「えー、ずるい、どんな人かぐらい教えてよ。ねえ、お願い。」
りくは俯きながら、恥ずかしそうに答える。
「、、、年上の、、人、、です、、」
「そう、、なんだ、、、ねえ、女子大生とか?」
「違います、もう少し上、、、です、、、」
初音はむきになっていた。りくに好きな人が
いるなんて、しかも年上の女だなんて。
「ひょっとして学校の先生とか?」
「ち、ちがいます、、、」
「えー、じゃあ誰なの?わたしの知っている人?」
「、、、、、」
真っ赤な顔をしたりくが上目遣いで初音を見つめる。もしかして、それって、、、
「えっ、えっ、ええっ、、、ひょっとして、、、」
「初音さんです。ずっと前から、初音さんが好きです。」
りくは初音をしっかり見つめながら言った。
前からひょっとしたらとは思っていたが、本当にそうだったとは。
初音はてっきり男の欲望の対象として自分に魅力を感じているのだろうと思っていた。
初音は嬉しかった。
初音に躊躇はなかった。
「でも、わたし10才も年上だよ。」
「そんなの関係ありません、初音さん、すごくキレイだし、優しいし、スタイルもメチャいいし、年なんて関係ありません!」
りくの必死さがとても好ましい。
つづく
※元投稿はこちら >>