その後も二人は密会を続けた。
初音は一気に女として成熟し、外見は清楚な人妻のままに、隠しきれない色気が漂ういい女になっていった。
それを敏感に嗅ぎつけた男がいた。
もともと初音の美貌とスタイルに目をつけ、邪な気持ちを持っていた男が、初音の微妙な変化に気付いた。
男は初音に執着し、その周囲を嗅ぎ回っていたのだ。
そして事件は起こった。
その日は、夫もカイトも出張で、初音は一人で過ごさなければならない日だった。
初音の上司の内田課長が初音自身のことで大事な話があるので、会社が終わった後、二人で話がしたいと言われたのだ。
この男は50才で、妻子がある。確かに仕事は出来るが、はっきりいって醜男で、脂ぎった顔、目が糸のように細く、鼻は団子のようで大きい、背は低めで腹は出ていて中年太りをしている。
そのうえ、目つきがいやらしく、初音はいつも見られているような気がして、気持ちが悪く嫌っていた。女癖も悪いという噂がある。
わざとじゃない振りをして、お尻を触られたこともある。生理的に嫌いな男だった。
そんな男に話があると言われたのだ、初音は暗くなる気持ちを抑えながら、待ち合わせ場所へと向かった。
すでに課長は待っていた。
初音は注文した飲み物がきてからたずねた。
「課長、話は何でしょうか?」
課長はニヤニヤ笑いながら、
「いやー、実はこの前、大変なものを見てしまってね。」
課長はそう言うと、初音にスマホで画像を見せた。
それはなんと初音とカイトが腕を組んでラブホテルに入るときの写真だった。
初音の顔は一瞬で青くなった。
「いやー、セフレの人妻とラブホに入ろうとしていたら、見たことのある人妻が夫以外の男とラブホに入るところを見てさ、思わず写真を撮っちゃったんだよね。」
課長は臆面もなく嘘をついた。初音をつけ回していたのだ。
初音は頭の中が真っ白になってしまった。
「そ、それは、、、」
「これ、初音君だよね?それに相手はご主人じゃないよね?」
課長はだめを押す。
明らかに初音が写っている。ごまかしようがない。
「どうしたら、、、いいんですか?」
初音は頭が回らない中たずねた。
「いやなに、この男とこの後したことを俺としてくれたらいい。」
「何をいってるんですか?」
「それも今からすぐにだ。それがイヤなら、今すぐ、この写真をばらまく、ご主人だけじゃない、会社中にばらまく。」
「そんな、、、ひどい、、、」
「その代わり約束する。一度だけだ。それが済んだら、この画像は処分する。絶対に秘密は守る。」
初音は考えようとしたが、あまりのショックで、うまく思考出来ない。
「本当ですか?」
小さな声でそう言うのが精一杯だった。
「ああ、絶対だ、俺も家族がいるし、バカなことは出来ない。初音君のことは初めて見たときから、心が奪われてしまって、どうしても、一度だけでもとずっと思っていた。だから約束する。一度きりだ。後は全て忘れる。」
初音は思考が完全に停止していた。
「い、今すぐですか?」
課長はここが肝心だと思った。時間が立てばいろいろとよくない考えが浮かんでしまう。ここは押し切らなくては。
「そうだ、だめなら悪いが画像を今すぐばらまく。」
はっきりと脅迫する。
初音は返事をしなかっが、課長は出ようかと言って席を立った。
店を出て、近場のラブホテルに向かう。
初音は青白い顔をして、俯きながら黙ってついてきた。
課長はホテルの前で、初音の腕を掴み、有無を言わさずホテルに連れ込んだ。
部屋に入ると、課長はベッドの端に腰掛けた。
初音はベッドの横で立ち尽くしていた。
「絶対に約束は守ってくれるんですね?」
初音は課長をにらみつけながら言った。
「ああ、約束は守る。」
課長はネクタイを外しながら、初音を見て言った。
「初音君、突っ立ていないで、服を脱ぎたまえ。」
「えっ、、、ここでですか?」
「そうだ、俺によく見えるように脱ぐんだ。
イヤなら、俺が脱がそうか?」
「いやです。自分で脱ぎます。」
初音は脱ごうとしたが、手が止まってしまう。
「どうした、時間がなくなるぞ、そうだご主人に遅くなる連絡をしなくていいのか?」
「夫は出張です。」初音は思わず言ってしまう。ああ、余計なことを。
案の定、課長がいやらしくニヤリと笑った。
「それはそれは、、」
初音は言われる前に脱ぎ始めた。
課長をにらみつけながら。
ブラとショーツになったとき課長が止めた。
「よく見せろ。」
課長はいつの間にか下着ひとつになっていた。
腹が出て、足が短い。
課長は細い目で初音の体をなめ回すように見つめていた。
「思っていたとおり、いい体だ。いや、思っていた以上だ。」
課長が近づいて来る、初音の顎に手をかけ唇を奪おうとする。
「イヤ、キスはイヤ。」
課長は、
「フッ、まあいいさ。」
そう言って、初音をベッドに押し倒した。
つづく
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