「・・・ね、どう思う?」
彩子は不安そうな声でそう言いながら、自分の椅子を俺に見せてきた。
「昨日は久しぶりに残業がなくてホテルだったでしょう?それで朝来てみたらこんな・・・」
その視線の先、彩子の椅子の黒い生地には、乾いてほとんど透明になっているが 振り掛けられた液体の跡がくっきりと残っていた。
「私を狙ったのよね・・・これ、私に向けて・・・」
彩子は自分に向けられた悪意に心の底から怯えているようだった。
これに似たシチュエーションは彩子を責める上で何度かしたことがあるが、やはり妄想と現実には当然ながら大きな隔たりがあるのだろう・・・
「そうだな、偶然って訳はないだろうな・・・こいつの狙いはお前だろう・・・まぁ向けられたのが悪意なのか、お前の本性に気づいた上での性欲なのかは分からないけどな」
彩子の体がピクリと反応するのが分かった。
「・・・なぁ・・・ちょっとここに・・・」
その夜から毎夜、俺達は彩子の椅子にA4サイズの紙を置いた。
そこにはわざと盗撮風に撮影した彩子の顔が写っている。
これがうまくいけば、彩子をさらに淫乱に・・・そんな期待をしてしまう。
そして、彩子もそれを知りながら毎日のように紙を置き続けた。
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