ああ、思い出すだけで嫌になる・・・。
あのレイプ事件から私は、愛車に跨る気になれなかった・・・。
あの振動が、あの光景をフラッシュバックさせるからだ・・・。
かと言って、愛車を手放すこともできず・・・結果、愛車はアレから地下ガレージの奥に眠っていた・・・。
はるなが免許を取った事を知り、久しぶりに地下ガレージに向かう自分がいた・・・。
愛車を封印してから、普通に恋愛し、普通にはるなを産み、レーサーだった夫とは事故で死別してしまったが
幸せな普通の生活を送れている・・・。
愛車はあの時のまま・・・。
シートカバーを捲りあげると・・・。
あの時の、散々嬲りものにされ解放されて、しこたま中に性液を溜め込んだまま跨ったシート・・・。
同じ様にレイプされた少女と共に、自宅までどう帰ったか覚えていない・・・。
滲み出たものか、シミがシートにまだ残っていた・・・。
あれから、愛車の心臓は止まったまま・・・。
いくら、ツーストと言えエンジンが掛かる筈無かった・・・。
ガソリンとオイルの匂い・・・バッテリーも死んでしまっている・・・。
それでも、楽しかった事の方が多かった・・・。
仲間とのツーリングやバトルでの思い出はアレの記憶以上に私の大切な思い出・・・。
私はシートカバーを戻して部屋に戻る・・・。
暫くして、聞き覚えのあるエキゾーストノートが耳に飛び込む・・・。
このサウンドは2気筒・・・ニーハン・・・ツースト?・・・今時珍しい・・・。
ベランダから外を見る・・・?!・・・ガンマ・・・私の愛車の一回り小さいレーサーレプリカ・・・。
それも同じ、ウオルターウルフ・・・真っ赤な革ツナギに真っ赤なヘルメット・・・。
私の心臓は否応なく高鳴る・・・。
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