その子と族の男たちは、まるでかくれんぼのようなゲームをしている様だった。
一人の女の子を大勢の男たちがハンティングする様に・・・。
女の子の気配はやはり、こっちに向かっている。
族の男〉
「10・・・9・・・8、さあ、もう直ぐ追い込むぞ・・・早く隠れな・・・」
私はそのハンティングに否応なしに参加する結果になってしまった・・・。
どう考えても、ただのお遊びとは思えない・・・。
私だって見つかって仕舞えばタダでは済まない事は容易に想像出来る。
息を殺して「ここには来ないで・・・」そう思う・・・。
しかし、ここは潜める場所などあまり無い・・・このトイレの個室が明かりもあって
比較的広く、隠れたい気持ちが一見、安全な様に見えるのかも知れない・・・。
だけど、潜んで仕舞えば逃げ場は無く、追い込まれる結果になる・・・。
そんな場所で、無関係な私まで巻き込まれているのだった。
二つしか無い個室のもう片方に、その子は飛び込んだ・・・。
最悪だ・・・どう考えたって二分の一で私も獲物になってしまう・・・。
もうすぐそこまで男たちは来ている・・・。
ここに居るよりは出た方が逃げることが出来る可能性もある・・・。
切迫した状況で判断を迫られる・・・。
なつみ〉
「あなた、ここじゃ逃げられない・・・一緒に逃げましょう・・・」
私は個室を出て、隣に居た女の子に声を掛けた・・・。
観戦少女〉
「え、あなたは?・・・」
なつみ〉
「もう時間が無い、早く出なさい・・・」
観戦少女〉
「わ、判りました・・・助けて・・・」
女の子は私の姿を見て、私だと気が付いたみたいだった。
私は自分のマシーンにさえ辿り着ければ逃げ切れる・・・そう思った。
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