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プルルル~プルルル~
須藤家の電話が鳴り、旦那が対応している。
ナツヒコ「お父さん、誰から?」
旦那「あぁ~滑田さんの奥さん」
ナツヒコ「お母さん寝込んでるから心配でよこしたのかな?動けるようになったみたいだけど元気がないから心配なんだよなぁ…」
旦那「まぁ…そんな感じかな、敦子はきっと疲れただけだよ、ほら、試合の日も帰ってきたの、すごい夜遅くみたいだったし…」
ナオヤ「母さん、いつも頑張り過ぎなんだよな、もう少し気楽に考えればいいのに」
あの日、敦子は家に着くとすぐ体調を崩して寝込んでしまい、何日か経ちやっと回復して、元気になったのだが気持ちが晴れる事はなかった。
敦子(はぁ~…何であんなことに…私…旦那以外の男にイかされて…あっあんなに激しくキス…うぅ…あなた…ほんとにごめん)
寝室のドアが開き、一番下の息子のナツヒコ
が心配な顔で敦子の様子を伺う。
ナツヒコ「お母さん、起きてたの、大丈夫?僕…心配で」
敦子「ナツ、ごめんね…もうお母さん大丈夫だよ…ウフフ…心配ありがとうね(いつまでも寝てられないよね…しっかりしなきゃ…皆を心配させてられないわ)」
敦子が皆が寛ぐリビングに移動すると旦那と次男のナオヤが微笑みながら声をかけた。
旦那「もう大丈夫そうだね敦子」
ナオヤ「母さん、無理すんなよ」
敦子「あなた、ナオヤも心配かけてごめん、もう大丈夫だから」
旦那「そう言えば滑田さんの奥さんから連絡があって、バレーの事は気にするなって、コーチが上手くやってくれてるってさ、早く治して復帰するの待ってるだって」
敦子「そう…(あの男が上手く?どういう…)」
旦那「それと…町内会で頑張ってた熊谷さん…亡くなったらしい、腰痛で入院してるって聞いてたけど、他にも悪いところあったみたい、明日…お通夜だってさ」
敦子「えっ!そうなんだ、色々大変ね」
……
………
敦子は旦那との話しを終えるとナツヒコに、今日は買い物に付き合ってと頼み、部屋に戻ったナオヤの所に向かう…
敦子「ねぇ…ナオ」
ナオヤ「なんだよ母さん?」
敦子「ヒデ君をしばらく家に上げて欲しくないの…理由は聞かないで…それとお父さんにも言わないで…母さんからのお願い…」
ナオヤ「…?わっ…わかった…でもいつかは理由を教えてくれよな」
病み上がりの敦子の困惑した表情での頼み事にナオヤは承諾するしかなかった。
…
……
須藤家からさほど遠くないコンビニの駐車場に山岸のタクシーは駐車していた。
山岸(奥さんに会いたい…またちゅうしたいハァハァ…あの舌の感触と唾液の味、奥さんの息も…ハァハァ…もう一回)
山岸は敦子を降ろしたコンビニの駐車場にいればまた会えるかもしれないと思い、あの日から待機場所にしている。
何日か経ち、敦子を見かける事もなく、そろそろ諦め始めた時だった…
1台の軽自動車が山岸のタクシーの近くに駐車し、中から紺色のニットソーを着て、ベージュ色のタイトなクロップドパンツを履いた美しい人妻熟女が降りてきてコンビニに入って行く。
山岸「あれっ?…えっ!…おっ…奥さん?…だよな」
コンビニから出てくる敦子の姿を確認する為に山岸は目を凝らしている。
……
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敦子はナツヒコと買い物に行く途中に近くのコンビニでコーヒーを買い、最近できた大型のショッピングモールに着ていた。
敦子「うわぁ~…凄い混んでるね、ナツ」
ナツヒコ「お母さん、今日は祝日だし、しょうがないよ」
親子2人で仲良く並んで歩くその後ろ姿を見失わないように山岸はコンビニからずっと、つけていたのだった。
山岸「明るい所で見ると、やっぱり凄い美人だな…ブフフ」
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