「ちょっとぉ!もぅ、、、なに出してんのよ!」
そう言うと、美穂は手渡された白い小箱を持ったまま、体を揺らして楽しそうに笑った。
田村や加藤とは進学と同時に疎遠になり こうやって集まるのは10年ぶりだったが、加藤と鈴川に挟まれて座る美穂を田村が下ネタで揶揄う、、、そんな光景を見ていると、高校時代にタイムスリップした気分になる。
泣けるほど懐かしいと思うのは俺が30になったからでも、ダウンしてソファーに寝転がるほど酔っ払ってしまったからでも無い・・・そのはずだ。
そう思いながら じゃれ合う2人と、その2人をニヤニヤと見る加藤と鈴川をぼんやりと見ていた。
「何って、ただのマッサージ機だよ、肩が凝るって言ったからさ・・・」
「や、思いっきり でっかく『LOVE』って書いてんだけど?しかもピンクで・・・てか、封が開いてる?もしかして使用済みを私に持たせたの?」
「まさか!それは新品だよ、電池を入れるのに開けただけ」
「なんで電池いれるのよ!」
美穂は大声で笑った。
「そりゃぁ準備は大切だろ?何事も『備えあれば憂いなし』だよ」
「なんの準備よ!まったく・・・で、なんで私に渡すのよ」
2人はヤイヤイと言い合いながら、下ネタとは思えない明るい雰囲気で話していた。
笑いながら話し、けれど少し興奮している、、、そんな雰囲気で内容はだんだんとエスカレートしていった。
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