頃合いを見て事務所に入ると、ちさとさんが姉貴の執務机のソファーに座り、姉貴は立ったまま・・・。
どっちが立場が上なのか聞くまでも無い・・・・。
『姉貴・・・ざま~無いな・・・』
ちさと〉
『ああ、お恥ずかしいところを・・・申し訳ありません・・・』
姉貴〉
『ちっ・・・』
ぐうの音も出ない姉貴の顔・・・。
散々小さい頃から兄貴や姉貴には馬鹿にされ続けていた。
社会に出れなくなって、引き篭もったのも元はと言えばそのせいだ・・・。
俺に家族に対する憎悪と、ちさとさんの画策する内部崩壊のシナリオがリンクしていく・・・。
後で聞いた話だが、元々は同性である姉貴を利用していく計画だった様でその為に姉貴を手懐けた・・・。
しかし、兄貴達のガードも固く、親父は姉貴には跡を継がせる気が無いと判断した様だ。
その為に、親父の片腕として安心させ、手懐けた姉貴から俺に乗り換えた様だ。
『ちさと、何人かこっちに欲しい、これでいいか?・・・』
俺はさっきのファイルを、ちさとさんに渡した・・・。
ぱらぱらと見て、付箋の付いている女を確認すると・・・。
ちさと〉
『はい、店長・・・私もチョイスした人員です、さすがです・・・』
姉貴〉
『そんなに・・・こっちが回らなくなる・・・』
ちさと〉
『また、あの手で補充するといい・・・判るでしょう・・・』
これも後で聞いた話だが、募集でも集まらない時は、なんでも万引Gメンを使って万引犯を
捏造したり、反社組織に依頼もすると言う事もやっているのだった。
姉貴は、ちさとさんに逆らえない・・・何か秘密がある様だ・・・。
今日は思い掛けない収穫があった、とりあえず城の要を攻めると言うのか・・・。
俺は、敵に回したく無いと思うのであった。
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