金曜の朝。
いつもより2時間も早く目が覚めた。
旦那の朝食を作る前に用意をする。
あの日と同じことをしてもらうために、あの日と同じ服を選んだ。
意識した訳ではないが、あの日よりも濃いメイクになった。
いつか言われた言葉を思い出して下着はつけなかった。
トーストを焼きながらベーコンを炒め、目玉焼きと一緒に皿に盛った。
私を見て狼狽える旦那の雰囲気を感じながら食事を済ませる。
「・・・まさか・・・・・今日・・・」
絞り出したような旦那の声に視線を上げた。
小動物のような怯えた姿がおかしかった。
「行ってくるわ・・・ランチに誘われたの」
微笑んだまま答えると、旦那はホテルに行くのかと聞いてきた。
一気に不快な気分になって、思わず声を荒げそうになった。
そうよ、当たり前じゃない・・・
悪い?貴方が望んだことでしょう?
邪魔しないで・・・
もう待ちきれないの・・・
早く欲しいの・・・
いろんな言葉が頭の中でグルグルと回ったが、どれも声にはできなかった。
そうしていると数分もせず、旦那は無言で睨む私の視線から逃げていった。
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