その日は何も手につかなかった。
何をしていても時計ばかりが気になった。
10時が過ぎ、11時になり、12時が訪れる。
ランチ・・・
妻はもう家を出ただろう・・・
もう男に・・・山崎に会っただろうか・・・
休憩時間になっても座ったまま、壁の時計を見つめていた。
そんな俺のスーツのポケットで、マナーモードの携帯が振動した。
携帯を取り出し、画面を見る。
妻かもしれない・・・やはり家を出れなかったと、男の誘いは断ったと言うのかもしれない。
そんな馬鹿げた希望を持ちながら、画面を見て絶望した。
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