火曜になり、水曜が終わった。
妻を問い詰める事ができないまま、また週末が来てしまう。
その日、俺の朝食を用意する妻は、あの夜と同じ服を着ていた。
少し濃いめの化粧をし、いつもは着けない香水の香りを纏っている。
まさか・・・山崎に誘われたのか・・・
誘われて・・・応えるのか・・・
「・・・ま・・・まさか、今日・・・」
俺はそれしか言えなかった。
妻は何も言わずに、視線だけを俺に向けて微笑んだ。
そうよ・・・
そんな声が聞こえた気がした。
「・・・行ってくるわ・・・ランチに誘われたの」
「・・・・・・まさか・・・ホテルに・・・」
妻の目がキッとキツくなった。
・・・貴方が望んだ事でしょう?
そんな風に責められている気分にだった。
「わからないわ・・・」
いくつもある疑問と緊張の一つが緩んだ気がした。
けれどそれは間違いだった。
「・・・でも、夜まで時間を空けておいてくれって言われてるの」
ドキッとした。
心臓が締め付けられた。
何も言えない俺に向かい、妻の言葉が止めをさす。
「そうゆう事だから・・・もし帰ってきて私が居なくても心配しないでね」
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