土曜日はそのまま終わり、日曜日も同じ雰囲気で過ぎていった。
ただ、何事もなく穏やかに過ごしたわけで もちろんない。
俺は何度も問いかけようとしたし、妻は透明な空気のバリアでそれを阻止していた。
俺は嫉妬と猜疑心を隠して微笑み、妻は俺の心情を察しているのに何も言わない。
一歩を踏み出す勇気が持てず、知りたいことを知りたいと言わないからこその平穏だった。
問い詰めたいと思いながら、聞いてしまうと全てが終わってしまう気がしていた。
そして強烈なエピソードがあったはずの週が終わり、解決しなければならない問題をそのままにして、まるで今までと何も変わらない雰囲気を装って月曜日を迎えた。
「・・・行ってきます」
いつもの声、いつもの雰囲気がどうだったかを思い出しながら、いつもの時間に家を出た。
電車に乗り、職場に向かう。
デスクに座りパソコンを立ち上げる。
いつもと同じ月曜日だった。
上司に愛想笑いをしながら後輩に指示を出し、回覧されてくる書類にハンコを押す。
そんな事をしているだけで、月曜が終わり火曜になった。
そんな生産性のない日常を送りながら、頭の中には様々な思いが渦巻いていた。
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