初めての日は今でも鮮明に覚えています。
おそらく、今まだ旦那と夫婦関係があること、旦那の愛を感じられること、何より私自身が解放されたことは、その初めての男性のおかげだと思います。
旦那にホテルまで送り届けられたこと、フロントにチェックインの申し立てをせずに通過することに罪悪感を感じたこと、エレベーターの扉が閉まるのが不安に思ったこと、エレベーターがチンと鳴りフロアに着いただけで死にそうなほど緊張した事を覚えています。
廊下を長く感じました。
扉をノックする前に何度も後悔しました。
後押ししたのは皮肉にも旦那への悪意でした。
ノックすると、数秒もせずに扉が開きました。
男性は優しそうな顔をした50歳くらいの紳士でした。
バスローブだけの姿でした。
ビールが苦手だと言うと、もうグラスに注いでいたのにカクテルを用意してくれました。
お洒落なグラスにカクテルを注ぎながら、「勘違いしないで、怖がらせたくない」「私が嫌なら断ってくれていい」「ビールよりもカクテルの方が酔うから気をつけるんだよ」と言われました。
それまでの緊張もあってか、単純な私はそんな会話だけてすっかり安心してしまいました。
ホテルに着いたのは私のいくじなさのせいで、約束の7時を45分も過ぎていました。
終わりの約束は10時でした。
カクテルを注がれて乾杯し、ゆっくりと優しく会話をしていると、時計の針はすぐに9時に近づきました。
抱かれたいとは思っていない私も、さすがに罪悪感が湧いてきます。
そうなってようやく 私は自分が酷いことをしていると思い、心から悪いと思い、そのまま懺悔を始めました。
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