生活は普通にしてるつもり。麗人さんもやってくるし御婦人とだって今までと変わらない距離感で接しているつもり。だが何かが変わったんだろうね、ご婦人がいってらっしゃいって私に言った。会いたいんでしょ?正月は行かなかった。初めて新年を御婦人達と過ごしたのだがちゃんとしていました。家の中の雰囲気が正月って感じで安らぐ。年末年始をご婦人と過ごすのも悪くなかった。
私が住むところは冬は寒さがキツイ。何回かは雪が積もるような山間部に近い郊外なのですが、今年は雪が降っていた。朝起きて外を見ると真っ白な世界。庭が白く覆われて私のテンションが上がっていくのが分かる。まだ足跡も何もない庭におりて最初の足跡をつけた。猫が興味深々で縁側から降りたそうにしていたが、おいでと言って呼んで一歩、そう一歩で家の中に消えていった。ネコの足跡が1つだけ残り妙におかしかった。吐く息が白く手は真っ赤になったが雪だるまは作らないといけないと思い桜の木の下に作った。空からはまだチラチラと雪が舞い降りる。そんな朝だった。
世間が成人の日とかいう時期に田舎へと向かった。横にはご婦人が同乗しているのだが、これにはいろいろわけがあった。帰らないの?ってしつこいくらいに聞いてくるので、怖いんだよ!って返事したのです。甘えん坊さんね~って笑いながらついてくることになった。宿は隣町にある旅館。温泉まであるので案外高い。休憩を何度もはさみながら高速を走った。私だけなら1回給油して終わりなのだがトイレが近いのか次止まってねーって言ってくる。そして1回が長い。いろんな店に顔を出してあれやこれや見て回るのだ。車の中にはお菓子やおつまみが開けられパクパク食いながらの移動になった。帰りに寄ってお土産買っていきましょうなどと言いながらも楽しそうにしてるご婦人。連れて来て良かったと思った。
宿に着いたらゆっくりしたい。暖められた部屋の中が心地良い。ここは山間の宿なので雪景色である。道路は大丈夫だが結構積もるのです。夕方になり薄暗くなった外の景色を眺めながら横に立ったご婦人が言う。旅行は初めてだねって。私もご婦人も旅行は結構しているが二人で行くのは初めてなのかもしれない。嬉しそうな微笑みを見せて寄り添うように頭を身体に寄せてきた。白髪染めした髪からいい匂いがした。
温泉に浸かり美味しいご飯を食べ旅館ならではのおもてなしを受け部屋に帰ると布団が並んで敷いてある。仲居さんにはどう見えただろうか。夫婦には見えないだろうから親子とでも思っただろうか。それとも年の差カップルか。いつもと違う環境がご婦人を乱れさせた。いつもは1回で終わるのがこの夜は際限なく求めてきた。寝る前に温泉に浸かりきちんとして布団に入った。横の布団ではもうスースー寝息を立ててる。私も寝ていた。
朝起きると既に先に起きてたご婦人がオハヨーって言ってきた。もうメイクもしてりりしい顔になっている。今日の予定を確認しながら私も顔を洗いひげ剃って朝食に向かう。旅館の朝飯は美味い。
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