ドンドン…
「あんたぁ!いるんでしょ~!何時だと思ってのぉ!出てきなさいよぉ」
滑田「やばい…うちの家内だぁ…うう」
その言葉を聞いた健子と熊谷は急いで身なりを整えると、今日はお開きという感じで玄関まで移動し、滑田がドアを開けると、そこには怒りの表情でゴリラのような大きい女が立っていたのだった。
滑田の妻である58才の美鈴は容姿がゴリラのような大女で大人しい滑田とは真逆であり、この近所の奥様達のボスのような存在であった。彼女に嫌われるとひどい嫌がらせをされ、ノイローゼになる奥様もいたほどで皆に恐れられており、健子もまた彼女が苦手だった。
美鈴「あんたぁ!酒臭い!このバカっ…しかも口の周りテカらせて気持ち悪いんだよぉ」
滑田は何度も頭を叩かれていた。
美鈴「あらぁ、健子さんもいたのぉ?あんた顔が赤いわよ、酔ってんの?スカートも濡れてるし、汚いっ…旦那がいないと思ってぇ…ふん」
健子「これはっ…ちょっと…水をこぼして…別に旦那がいないからとか……違いますから」
美鈴「熊谷さん…町内会の事とか言って、飲み会にするようなら…あんたもわかってるよね。あんまりひどい時は…こっちも黙ってないよ」
熊谷「すっ…すいません、気をつけます」
…
……
健子は1人、家までの道を歩いていた。
健子(あなた、ごめんね。私、2人にイかされちゃった。あぁ~もう町内会の手伝いやめよう…美鈴さんが来てくれなきゃ…私やばかった…よね…あのまま)
…
……
その週の日曜日の昼間、健子の家の玄関先で2人の男が健子に謝罪している。健子は首を横に振り、怒った表情でいたが、何かを受け取り、2人の男が土下座をすると、慌てた健子がそれをやめるような仕草をしていた。
その光景を庭で見ていたコウスケは、2人の男が帰っていく様子をみて、後をつけ声をかけたのだった。
コウスケ「熊谷のおっさん、あれ?ケンジのオヤジじゃん、何かあったんでしょ?この前の町内会の手伝いで?母さん帰り遅かったし…聞かせてよ」
コウスケはニヤリと微笑んだ。
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