駅の北側はロータリーになっていた。
真実は、待っていた明夫に声を掛けた。
「久しぶりだね」
「う、うん」
明夫が緊張気味に答えた。(清楚な人妻って感じ。可愛いな竹内さん)
ニットに膝上の柔らかな生地のスカート、ローヒールの靴。メイクはいつもより濃く、大きな瞳がさらに大きくなりモデルのように見えた。
「少し歩くけど着いてきて」
明夫は言うと歩き出した。
「あの、明夫君。お友達ってどこに」真実の質問には答えず、明夫はロータリーから離れてビルの間を抜けた。
「あっ、」
周囲のビルの雰囲気に真実は戸惑った。ラブホテルが数件並ぶホテル街に入っていた。
(ホテルラビリンス)
明夫が手を上げると、ホテルの入口から男の子が出てきた。
「こ、こんにちは」カツヤとサトルが真実に挨拶した。
「ち、ちょっと明夫君。二人なんて聞いてないよ」真実が困り顔で明夫を見た。
「か、か、可愛い」
「マジに橋本環〇ちゃん、激似」
カツヤとサトルは、真実に見とれて言った。
明夫は真実にだけ見えるようにスマホの画面を見せた。あの、夫とセックスをしている真実の盗撮画像だった。
「こんな所に立ってたら怪しまれるから、奥さん」明夫は真実のことを奥さんた呼んだ。
真実は男の子3人に囲まれて、ホテルラビリンスの入口に入った。
(逃げられない。でも3人なんて)
不安に思いながらも真実は重い足取りで、ラブホテルの部屋に連れていかれた。
部屋のドアが閉まり、ロックチェーンがガチャリと掛けられた。
※元投稿はこちら >>