今日も暑い日射し。
朝から洗濯、部屋の掃除を終えるともう昼前の時間だった。
真美の今日の洋服は、ノースリーブのシャツに膝上スカート。昨夜のタンクトップは反省し大人しめの服装にしていた。それでも胸元の膨らみは目立っていた。
「あー退屈」
真美はスマホを手にYouTubeを検索した。最近のお気に入りは動物の動画。可愛い仔犬の動画を探すと見ていた。
「犬飼いたいなあ、誠也君に話してみよ」
ソファーにごろんと横たわったまま真美が呟いた。
明夫は予備校帰り。
スマホでゲームをしながらの帰り道、LINEが入った音が鳴った。母親からのLINE、明夫の両親は共働き。二人ともいつも帰りは遅く、平日は家族それぞれに夕食を済ませる生活だった。
「あ、ヤバい。ラッキー忘れてた」
明夫は言うと、早足で家に急いだ。
ラッキーは雑種の中型犬。
北原家の家族で、明夫が小学生の頃から飼っている、茶色の毛並みでハスキー犬に近い。
明夫が家に着くと、庭のラッキーがワンの哭いた。
「ごめん、散歩の時間遅刻だよな」
明夫は一旦部屋に上がり荷物を置くと、麦茶を一杯飲んでまた庭に戻った。
「暑いけど大丈夫かな」
明夫が言うと、ラッキーがワンと答えた。
リードを持ち、玄関を出ると、
「あっ」
向かいから、真美が出て来たところに鉢合わせした。
「あら、こんにちは」
真美がにっこり笑い掛けて、明夫に近づいてきた。
(ラッキーの散歩でラッキー)
明夫は思った。
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