それが乱暴に脱ぎ捨てられた衣服だと認識するのには時間がかかった。
さらに時間をかけ、それを白衣だと理解する。
「・・・な、なんだよ・・・まったく・・・・・驚かせやがって」
山崎は安堵の息を吐きながら、小さな声で呟いた。
けれど直後に、いったい何故?とゆう疑問が浮かんでくる。
(これは・・・・・確か・・・)
白衣といっても学校とゆう特殊な環境では複数の候補がある。
が、その質感やサイズを確認するまでもなく、山崎は保健室の養護教諭を連想した。
(あの胸、あの腰・・・あの唇に押し付けたらどんなに・・・・・いや、イカンイカン)
脳裏に浮かぶ邪な劣情を、今はそんな場合じゃないと振り払う。
(・・・しかし・・・いったい、なんだってこんな場所に・・・)
そこまできて、ようやく山崎は頭を上げる。
真っ暗な廊下・・・全ての電気が消灯された深夜の校舎・・・
なのに、視線の先に並んだ男女のトイレの扉・・・青く塗られた扉の磨りガラスが、煌々と光っていた。
山崎はゴクリとツバを飲んだ。
ゆっくりと、足音を立てないように 静かに近づいていく。
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