山崎はつまらなさそうに溜息を吐いた。
左手を顎につき、暇潰しに買ってきた もう読み終わった雑誌のページをめくっていく。
まったく、最悪な夜だ・・・
・・・こんな状態で朝まで過ごすのか?
そんな不満を抱きながら視線を窓の外に向ける。
そして自分をこんな状況に陥れた原因である、通報のあった3階の廊下を見て 絶句した。
「・・・は?・・・・・・はぁぁあ?」
山崎が そんな素っ頓狂な声を上げたのは、壁の時計が9時半を指す 少し前だった。
「・・・おいおいおい・・・ええっ?」
山崎の視線の先、教室の並ぶ3階の廊下を 白い影が移動していく。
パニックになりながら校舎の裏にある用務員室を飛び出し、駆けた。
しかし保健室の裏手に差し掛かるころ、懐中電灯をとりに用務員室に戻り、、、本館の入り口に到達してから、マスターキーを忘れたことに気づき、、、
何度もバタバタと往復しては、30分もかけて ようやく校舎の中に入った。
懐中電灯をかざしながら、ゆっくりと少しずつ進んでいった。
正直、恐怖を感じていた。
ありえないと思い込んでいた白い影を目の当たりにしたのだから当然かもしれない。
とにかく一歩ずつ進み、一段ずつ階段を登った。
角から顔だけを出して廊下をうかがう。
じろじろと何度も確認してから、ようやく廊下を進んでいった。
そしてその廊下の先で・・・2年の教室の並ぶ階の、男子公衆便所の前で、白い塊を見つけた。
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