「ったく、めんどくせぇ・・・なんだって俺が、こんなことを・・・」
今年で50歳になる用務員の山崎浩二は、不機嫌な顔で愚痴った。
学校に泊まり込んでの校内の見回り。
それを自分に押し付けられた事が どうしても納得できず、ブツブツと文句を言い続けている。
「まったく・・・なにが『亡霊』だ、アホくさい」
それは突然の辞令だった。
深夜、学校の廊下を移動する白い影が見えた・・・そんな内容の通報が、ここ数ヶ月で3件も学校によせられた。
それに対して誰かが思いつき、とりあえず、念のため、、、そんな雰囲気で出されたに決まっている、自分が当事者にならないヤツらから出された 無責任な業務命令。
確かに学校としては放置できないだろう。
亡霊とゆう通報を信じてなくとも、つまりは不審者による不法侵入の可能性があるのだ。
一応の対処をしておかなくては、もしも何かがあった場所に保護者に言い訳ができない。
それはわかる・・・
わかるが、しかし・・・
「それが、いったいどうして俺なんだ!」
時間は8時15分。
朝まではまだまだ時間がある。
190センチの太った中年の用務員は、でっぷりと太った腹を さらに大きくさせた。
日に焼けた顔に怒りの表情を浮かべ、憤りの息を ふーっと吐く。
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