桜が自分を抑えられたのは、それからたった数日だった。
少し前までは数か月に一度、多くても月に1回すれば 自分を保つことができていたが、最近は少し異常だった。
だがそう自覚していても、どうすることもできなかった。
今夜もまた、桜は職員室の窓から電気が消えるのを待つ。
逸る心をムリヤリに抑え、できるだけ時間をかけて準備をする。
そして保健室の扉を開くころには、完全にメスの顔になり 肌寒い夜の廊下に出ていく。
全裸の体に羽織った白衣が 歩くたび、よろけるたびに はだけてしまう。
乳房が揺れ、乳首が白衣の裏地に擦れる。
上気した顔に恍惚の表情を浮かべ、プルンとした唇をだらしなく開き、口だけで息をしながら、よたよたと廊下を進んでいく。
昼間は、周囲にプライドの高さを感じさせる 切れ長な大きな瞳は、興奮にトロンと溶けている。
そしてまた、今夜も桜にしか見えない人影を見つめていた。
影は、廊下に溢れていた。
まるで昼間の休憩時間のように、わらわらと蠢いている。
ある者は窓際に並び、ある者は走り回っている。
おい、見ろよ・・・
桜の耳に、声が聞こえた。
聞き覚えのある声だと感じた。
保健室に来た生徒の誰かの声・・・
あぁ・・・吉川先生、また便所に向かってるな・・・
別の声が、声に応える。
その声も聞き覚えがある・・・そう感じながら、桜は歩き続けた。
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