とはいえ、もちろん全てを理解していたわけではない。
したいと思って実行してみても、まったく的外れにしか感じないこともあった。
夏休みのある日、始発の電車に乗り バスを乗り継ぎ山に登った。
早朝とまでは言えないが、それでも人気のない山道で全裸になる・・・が、興奮したのは服を脱ぐまでだった。
誰も来ない・・・来る可能性が低い・・・
そう自覚しているシチュエーションでは、恥ずかしさを感じるよりも、興奮するよりも、脱いで山道に置いた服が汚れたかどうかの方が気になってしまった。
残念に思いながら服を着た。
シャツを落とした時に下着が土の上に落ち、なんとなく着けずにバスを待った。
来た時と同じ、自分以外は誰も乗っていないバス・・・なのに、下着を着けていないと思えば思うほど、ミラーに映る運転手の顔が気になってドキドキした。
乗客が増えると興奮が増した。
服を着ているのに、バレるはずがないのにドキドキした。
バスが駅につき、ロータリーを歩き、電車に乗る。
その日、初めて 触れずに絶頂に達した。
そんな風に、桜は自分を理解していった。
バレるかもしれないリスク。
いけない事をしている背徳感。
破滅してしまうかもしれない恐怖。
下品で屈辱的なこと。
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