翌日私は、エミに電話を掛ける・・・自分を必要としてくれている親友に一時でも早く知らせたかったからだ。
『あ、エミ・・・ちさとです、昨日の件旦那様からOK出たんだ・・・行かせてもたうよ、エミの頼みだもん
それで、どうすれば良い?・・・ただ・・・出来たら日勤を多くして欲しいな・・・あ、それよりエミ、婦長さんに
なったんだって・・・おめでとう、憧れだったもんね』
『そう・・・来れるのね・・・じゃあお願いするわ・・・履歴書を持ってきて頂戴・・・日勤については考えておくわ
今は心臓外科の病棟婦長よ、ありがとう・・・いつ来れるの?シフトはいつからにしておく?』
『じゃあ、明日行かせてもらうわ、シフトはキリ良く来週の月曜からで良い?』
『判った、私は六時位に上がるからそれからで良い?』
『ええ、主人もその位に上がるだろうから一緒に帰れるしね・・・』
『そう・・・じゃあ待ってるわ・・・』
この時私は、エミが私を貶めようとしているとは夢にも思っていなかった。
ただ、旧知の友人がコロナ禍での繁忙期に助けを求めてきた・・・そんな感情からだった。
まさか、ヨウスケの事でずっと根に持っていたとは想像も出来なかった。
翌日、私は子供の食事の用意をして家を出て、大学病院に向かうバスに乗っていた。
大学病院は大学、医学部、歯学部と各附属病院があり地域の拠点病院になっている。
巨大なコロニーを形成しており、周辺には公園や住宅街が広がっている。
そんな中で、10年のブランクを乗り越えなければならない、新たな決意に燃えていた。
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