週末に、ちさとさんと逢える・・・それだけで一週間があっと言う間に過ぎ去った
本当なら、あやかさんのマンションに車が届く日だったが、どうしても仕事が入った
と嘘を言って土曜日を空けた。
ちさとさんはその日、都内での番組撮影がありこちらに来る。
落ち合う場所は、人目を忍んだシティーホテルを、ちさとさんが予約してくれたの
だ、今の僕にそんな財力無かった・・・僕はホテルのフロント近くのコーヒーショプ
で、ちさとさんが来るのを待っていた。
ちさとさんは相変わらず、綺麗でどんなに変装しようがそのオーラを隠し切る事は
難しい、フロントで支配人からカギを受け取る時にわざと復唱させてくれた・・・
ちさとさんにも僕は解っていたようだ。
ちさとさんがフロント階からのエレベーターに乗るのを確認してから、ワンフロア
エスカレーターに乗って、そこからちさとさんが待つ部屋を目指した。
ちさとさんは7階の奥の部屋を取っていた、ドキドキしながら部屋のチャイムを押す
何も返答のないまま、部屋のドアーは開いた・・・。
僕が入って、ドアーを閉めてから、ちさとさんは抱きついてきた・・・。
いつもの良い香り・・・何という香水だろう?一瞬で中学生の僕が蘇る・・・。
僕も、応えるように抱きしめる・・・。
『君 あの時は私より少し大きい位だったのに、立派になったね・・・』
『ちさとさんこそ・・・相変わらず綺麗です・・・』
そして、二人は唇を重ねる・・・そこには三年のギャップなど微塵も無かった。
時間も忘れ、しばらく抱き合ったまま・・・逢えなかった時間を取り戻すように
『君 ごめんなさい、あやかと仲良くやってくれているのを知っているのに、また
君 を惑わせる事になって・・・でもね、君 をあの時見た時私は燃え上がる心を
抑えきれなくなった、君と過ごした日々は私の大切な宝物・・・ヨウスケを許せたの
も君の事でなにも言えなくなった事が原因・・・。
ヨウスケは、今ではキッパリとあの女優と別れてくれた・・・その後に君が尋ねて
来たのよ・・・あやかの次でいいの・・・また・・』
ちさとさんは、涙を流しながら懇願するように、僕を見つめている・・・。
『そんな・・・僕には、ちさとさんもあやかさんも比べる事なんて出来ません
僕こそ、こんな優柔不断な僕にあやかさんに最初から秘密を作ってしまうのは心苦し
く思います、だけど・・・僕だってあなたを諦める事なんか出来ない・・・』
そして、二人はベットに倒れ込んだ・・・。
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