僕はドキドキしながら車を走らせた・・・・・。
目的地は完全に自分が住んでいた住所・・・最後の数字が違うだけ・・・でも
いや間違いない・・・この通りは、ちさとさんの家が突き当たりで他に家は無かった。
ちさとさんが、子供の事を詳しくは話してくれなかったし、別居しているので生活感
も全く感じられなかった・・・どんな顔をしてちさとさんに会えば良いんだ・・・。
自分勝手に調教し、突然消えてしまって・・・だけど・・・ちさとさんを思い出すと
僕の股間は熱くなってしまう・・・こんなところ、あやかさんに見られたくない・・・
僕達は都会の喧騒を離れ、徐々に郊外を走っている・・・。
丁度、道の駅を見つけ・・・。
『あやかさん・・・あの道の駅で休憩しましょう・・・』
『そうですね・・・丁度おトイレにも行きたいなって思ってた・・・』
屈託のない笑顔・・・本当なら幸せに包まれる瞬間だった・・・けれど、ちさとさんの事が
頭から離れない・・・あやかさんの顔とちさとさんの顔がダブって見えてしまう・・・。
少し、店から離れてしまったが、駐車場に車を停めてまずはトイレに向かった・・・。
『僕も用達しして、喫茶コーナーで待ってるよ・・・』
『はい・・・すいません・・・』
女性用のトイレは少し混んで、列ができていた・・・僕も用達しして喫茶コーナーへ入った。
ここではソフトクリームが名物らしく、買っておこうかと思ったが溶けてしまうのも嫌なので
ここはアイスコーヒーにしておいた、これなら少し位なら時間が経っても大丈夫・・・。
席も確保して、彼女の帰りを待っていると、程なく彼女は僕を見つけて駆け寄ってくる。
『ごめんね・・・混んでて・・もう買っててくれたの?ここね両親とも来たことあるんだ・・・
その時もここで、お母さん達二人で一つにソフトクリーム食べてたっけ・・・
ね、私達もそうしない?・・・二人でシェアして食べるの・・・君は甘いの苦手かな?』
あやかさんは、両親の様に仲睦まじい関係に憧れている・・・本当に嬉しかったけど罪悪感が
僕を責める・・・でも、彼女に嫌な想いだけはさせたくない・・・。
『僕もさっき悩んだんだ、早く買っちゃうと溶けちゃうし・・・待ってて、買ってくる・・・』
僕はソフトクリームを買って、店員さんにスプーンを二つ貰った・・・。
それを見て、彼女は少し不機嫌そうな、それでいてなんだか嬉しそうな表情を浮かべる・・・
『シェアするって言ったでしょ・・・スプーン一つで良かったのにい・・・』
そう言って受け取ると、一口スプーンですくって僕の口に入れてくれた・・・そのスプーンで
彼女も一口食べ・・・。
『冷たくて、美味しいね・・・はい、もう一つどうぞ・・・きゃ・・・ウソ・・・今度は本当・・・』
また一口僕の口に近付け、口をあけ食べようとすると引っ込めた・・・。
なにをとっても、どんな仕草も可愛くて仕方なかった。
そんな、恋人同士のやり取りが、今の僕には罪悪感で一杯になる・・・ここを出ればもう休憩する
場所もない、あの時愛した人の娘を前に、僕は冷静でいられるのか?
それに今日はヨウスケさんも居るはず・・・。
僕の緊張感は罪悪感と共に強くなっていった・・・。
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