エントランスのインターホンで、あやかさんの部屋の番号を入力する。
カメラで確認している様で、僕が喋る前にあやかさんの方から反応があった・・・。
『あ、君 ・・・こんにちは、待ってたよ・・・カギ開けるね・・・』
『お待たせ・・・遅くなってごめんね・・・』
そう言うと、エントランスのドアーが開く・・・。
母親を抱いた後に、娘の家に向かっている僕は、少しの後ろめたさを感じてはいたが
それ以上に、僕を慕ってくれるあやかさんを、自分の好きな様に出来る期待で高揚感を
感じていた。
最初は、ちさとさんの面影を持つ、あやかさんに憧れて高嶺の花だと思っていた・・・。
そんなあやかさんと、今では付き合っている・・・それも、両親公認で結婚を前提としている。
ちさとさんに筆おろしをされて以来、僕はちさとさんと淫行を共にしていた。
元々、ひとつの事に執着すると他が見えなくなる僕は、家庭を崩壊させてしまった・・・。
今だって、一つ間違えればあやかさんもちさとさんも同じ経験をさせてしまう・・・。
ちさとさんだって、ヨウスケさんとの関係を壊そうとは思っていない・・・。
あやかさんの母親としても、苦渋の決断だったと思う・・・。
どんな風にでも染まってしまう、あやかさんとちさとさんを同時に愛する事を決めたのだ・・・
もう、後戻りはできない・・・ちさとさんの家庭を生かすも殺すも僕次第だ・・・。
僕は最初の一歩を歩み始める・・・。
エントランスの奥にあるエレベーターに乗ると、ほかの階には停まらず対象階に停止する。
とても普通のシングル女性の住むマンションではなかった。
当然、親と離れて暮らす僕との生活水準は雲泥の差だった、そんな僕がこんなところに来て
良いのか?それが最初の印象だった。
そんな不安も、ドアーが開いてあやかさんの笑顔が見えると、吹き飛んでしまう・・・。
『いらしゃい・・・待ってたよ・・・どうぞ・・・』
『うん・・・ごめんね、野暮用を先に済ましちゃって・・・』
『うんん・・・良いの、お父さんが無理に用意しちゃって迷惑じゃ無いかと思ってた・・・
私が選んだ車だから、気に入ってくれたら嬉しいな・・・』
『僕は、なんだって良いよ・・・あやかさんがいてくれたら・・・』
『うん・・・少し休憩して行くでしょ?・・・』
そう言って僕は初めて、あやかさんの部屋に招き入れられた・・・。
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