「・・・・・・また垂れたわ・・・・・・ほら・・・ほら、ここ・・・」
由紀の指を追いかけていた舌がピタリと止まった。
まさか・・・
そんな・・・
そう思いながら、麻衣はゆっくりと顔を上げた。
そして由紀の邪悪な笑顔を見て、その指が触れた場所を本当に舐めさせようとしているのだと確信する。
それは邪悪な笑顔だった。
幼い子供が虫の足を千切る時のような、純粋な悪意に満ちていた。
その指先を公衆便所の便器に・・・洋式の便器の内側に触れたまま、麻衣を見つめて微笑んでいた。
麻衣はゆっくりと視線を落とす。
由紀の白くて長い人差し指・・・その先が晴れている場所を見つめる。
白い陶器の内側。
黒ずんだ汚れの上に黄色い液体が乾き、こびり付いていた。
ザラザラしているように見える。
その場所を、白い指の先が撫でていた。
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