由紀は、麻衣の目を見つめたままクスリと笑った。
清く美しいはずの人妻・・・誰からもそう思われ、自分自身もそうあろうとしている女・・・
その堕落に至る綻びを とうとう見つけた・・・そんな気分だった。
「今日はね・・・」
あぁ、本当に意地が悪い・・・そう思いながら、込み上げてくる笑いを噛み殺しながら由紀は話した。
そうだ、今日は誘ってみよう・・・今日で全てが変わるとは思わないが、それでも今よりも堕落に近い場所に・・・卑猥で下品な、なのに魅力を放つ場所に・・・
「今日は、時間が無いって言われているの・・・都合が悪いって・・・・・まぁ毎日毎日、朝から晩まで・・・ってのは、普通に考えてムリな話よね・・・」
麻衣は無意識に安堵の息を漏らす。
由紀は、目の前に座る人妻の安心したような、けれどどこか残念そうな顔を見て笑いを堪えた。
次の自分の一言に、この清らかな女がどんな反応をするのか・・・どんな顔をするのか・・・それを想像しただけで邪な気分になった。
楽しくて仕方がなかった。
「・・・だから・・・今日は駅前の公園・・・男子トイレで待つように言われてるの・・・」
「ね・・・もし・・・もし良かったらなんだけど・・・今から私と・・・」
由紀は目の前に座る人妻がゴクリと喉を鳴らすのを、その目が興味と欲望に染まっているのをみて、麻衣の返事を確信しながら話していった。
※元投稿はこちら >>