もちろん、たった一回で屈したりなどしなかった。
少しでも気持ちが回復すれば、すぐに『違う』と思い直せた。
男への恨みや憎しみも感じた。
けれど2回目よりも3回目、4回目よりも5回目・・・回数を重ねるにつれ、だんだんと薄まっていくのを感じていた。
この男が憎い・・・
悔しくてたまらない・・・
抱かれるたび、意識が途切れるまで狂わされるたび、そう自分で強く思わなければ、怒りが消えてしまいそうになっていく。
由美は抵抗した。
声の出せなくなった口で「違う」と叫び続けた。
一度でも完全に認めてしまえば、もう戻れなくなると確信していた。
けれどそんな心は、終わらない時間の中で とうとう折れる。
※元投稿はこちら >>