木村浩司とは、高校に入ってから知り合った。
たまたま同じクラスになり、たまたま隣の席になり、気がつけば毎日のように遊んでいた。
気のいいやつで、家は学校から反対方向なのに嫌がらずに俺の家まで遊びに来たりする。
しかしある時期から、俺は浩司に怪しい雰囲気を感じていた。
何と言えば良いだろうか・・・
ま、ぶっちゃけて言えば女の気配がする・・・
そう、少年から青年になりかけている俺たちにとっての裏切りの気配がプンプンするのだ。
とはいえ、誘えば相変わらず俺の家にも遊びに来る。
いや、積極的に浩司のほうから誘う日もある。
女ができれば男友達のことなんてそっちのけで女とばかり遊ぶようになると、風の噂で聞いたのだが・・・
しかし問題は重大だ・・・
何とかして突き止めねば・・・
そう思いながら、俺は今日も 浩司を家に誘ってみた。
結果は二つ返事でOK
うーん・・・
こんな突然の誘いなのに・・・
うーん・・・
「どうした?変な顔して・・・」
「あ、いや・・・何でもないよ」
「ふーん・・・で、しないのか?ゲーム・・・つっても、あと少しだけ、退屈なレベル上げしないといけやいみたいだけど・・・」
「そーなんだよなー・・・ったく、次のステージ辛すぎるよ・・・」
「ははっ、でも好きなんだろ?そのゲーム?いいよ、レベル上げしてろよ・・・俺はそうだな・・・トイレ借りて・・・あとコンビニで飲み物買ってこようかな?」
「ん~・・・」
「お前はコーラでいいか?」
「ん~・・・たのむ~・・・」
俺はゲームの電源を入れながら、浩司が勝手知ったる雰囲気で部屋を出て行く音を聞いた。
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