足元がふらつく。頭もぼんやりとして何だか気持ち悪い。
途中、鈴ちゃん、沖ちゃんたちが泊まっているテントの明かりがカーテンを照らし、中で動く人影が影絵のように動いている。
腕時計の針は23時過ぎを指している。テントの明かりは消え、そっとドアを開ける。誰かが気を効かしてくれたのか、間接照明の明かりが足元を照らす程度に点いている。クーラーの程よく効いた部屋の空気は、汗ばんだ肌に心地よく、汗をすぐに乾かしてくれた。置かれたツインのベッドは2つとも空いてて、一人はシェラフ、一人はソファーで寝ている。
もう一人はいない。きっと、どこかのテントで遊んでいるのだろう。自分のベッドに腰をかけると、ベッドサイドに置きっぱなしだったスマホを開く。
うん?ライン10件?
・・・課長、今どこですか?
・・・返信ないね。課長、もう寝たの?
・・・テントにいないやん?どこですか?
・・・課長、ほんまにどこ?鈴、待ってんだけど。
・・・もう、寝たの?どこにいんの?テント行ったんですけど。
鈴ちゃんからのライン。既読マークが付くと、すぐにラインが入る。
・・・・課長、今どこ?
・・・・鈴ちゃん、ごめん。今、テントに戻った。
・・・・今から行くからいい?
・・・・ここに?
・・・・だめ?
・・・・いいよ。皆、寝てるから、静かにね。
・・・・は~い。
間もなくして、ドアが開く音が聞こえる。ふっと夏夜の冷たい風が部屋の中へ入ってきた。
「鈴ちゃん?」
「鈴です。課長、どこ?見えない」
「静かに。ここ、こっち。そこまっすぐきて」
動く影に手を伸ばすと、その手に鈴ちゃんの手が触れる。鈴ちゃんをそのまま抱きしめる。
「課長、起きてました?」
「鈴ちゃん、ここにおいで」
鈴ちゃんがすっとベッドのシーツの中に潜り込み、ひょこっと顔を出す。
「キャア、課長。なんかスリルある~。楽しい」
「静かにしてって。鈴ちゃん」
なにせ、周りで寝ているのは皆、男ばかり。なかには女を知らない男もいるかもしれない。
「課長、どこ行ってたの?鈴、会いたかったよ」
枕元に潜り込んだ鈴ちゃんの身体からは、若い女の良い匂いが漂う。髪のリンスの匂い、身体に薄くつけた香水、芳香剤の匂いのする服。この女一人だけで、すでにこの狭い男臭い空間を真逆に変化させている。鈴ちゃんは背を向けてTシャツとホットパンツを布団の中で脱ぐと、僕の腕の中へ添い寝してくる。くるりと顔を上げ、キスをした
もう、僕のパンツの中身は、はちきれんばかりに突きたっている。鈴ちゃんの薄くて柔らかい唇にキスをする。そのとき、変な違和感を感じた。鈴ちゃんの口から微かに煙草の匂いがした。
「うっん、気持ちいい」。吐息こそするが、首筋や耳たぶにも明らかに煙草の匂いが染み付いている。
ピンク色のブラジャーのホックを外す。ブラジャーが外れEカップの乳房が現れた。キレイな円錐形の形の乳房は柔らかく、乳房の上の乳首は桜色の乳輪に囲まれ、ツンと上を向いている。乳首に舌を這わせ、鈴ちゃんの脇の下に鼻を潜り込ませる。ボディーソープの香りと脇臭、液腺からの汗でそこはジットリと湿り、脇特有の濃厚な匂いを放っている。左右の乳房を鷲掴みにしながら、右、そして左と交互に左右の乳首に吸い付く。
・・・ああっん
鈴ちゃんの口から吐息が漏れる。唇で唇をふさぐと、柔らかい肉同士が蕩けるように同化する。歯並びのいい口元に舌を差し入れると、鈴ちゃんも舌を絡めてくる。鈴ちゃんの舌は柔らかく、唇は艶やかで、可愛いすぎて、このまま舌を噛みちぎってしまいたい衝動にかられたが、やはり唇には煙草の微かな匂いがまとわりついている。
指先をパンティの中に滑り込ませる。ヴァギナの周りに生えた柔らかな陰毛を掻き分けて、大小の陰唇を撫でる。その陰唇に挟まれた秘境はしっとりと濡れている。指先を押しあてると、クレパスへ指先が沈んでいった。指先から暖かい感触が伝わってくる。そこには暖かい泉が湧きだしている。鈴ちゃんは、「あっ」、という熱い吐息をたて、指先をぐっと内腿で挟み込む。
臍からお腹、内腿をたどり、脹ら脛へと嘗め降りていく。焦らすように、脛を嘗め、脚を開きながら、蜜口へと舌を這わすが、蜜口近くの内腿辺りに、丸く充血した、明らかに誰かに吸われた跡があるのを見つけた。煙草の匂い、股間のキスマーク。
鈴ちゃんの身体から唇を放す。そのことが気になって、迷ったがどうしても聞きたくなった。
「鈴ちゃん、なんで煙草の匂いがすんの?」
「ええ?煙草?鈴、煙草なんて吸うてへんよ。煙草嫌いやもん。わかった…部屋で煙草吸う人いたわ。その匂いが付いたんだと思う。」
「少しやけど、鈴ちゃんの唇から煙草の匂いすんねんけど。」
「えっつ、わからへん。ほんまに。」
「そうか、ごめんな、変なこと聞いて。」
鈴ちゃんを抱き締める。キスマークのことはあえて言わなかった。
・・・・皆、まだ起きてんの?
・・・・まだお酒飲んでる…皆、結構飲んでるけど、それでも、たぶん、皆、寝られへんのやと思う。
・・・・なんで?
・・・・エッチしたいからよ(笑)。好きな子が起きてたら気になるのよ。だから寝れないの。
・・・・そうなん。陽介くん、居た?
・・・・千夏のとこで飲んでたわ。
・・・・そうか。それは良かった。
・・・・課長、鈴、もう寝たいの。だから課長の腕の中でゆっくり寝させて。
・・・・いいよ。安心してお休み。
(続)
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