「火種~和貴子、悦楽への目覚め」
和貴子はいつもの車の音に時計を見上げた。
間もなく夜も10時になろうとしていた。
「義姉さん、準備はできたか」
玄関先で三上の慌ただしい声が聞こえた。
「お願いします」
和貴子は苦しそうな晴太の肩をかつぎ、三上の車に乗り込んだ。
「この雪だ、病院まで40分くらいかかりそうだが」
「ええ、慌てなくても大丈夫、運転無理しないで、さっき薬飲ませたので少しは落ち着いたので、ほんとにこんな雪の中すいません」
三上は吹雪で視界の悪い道を病院へと向かった。
晴太は生まれつき身体が弱く、今日は午後から冷え込みもあってか夕方からの咳も止まらず具合が悪くなる一方だった。
ただ、冬のこの時期、夫は出稼ぎでいない為、こんな時はいつも妹の祥子の夫、三上に頼るしかなかった。
屋根の雪が溜まれば除雪をしてもらい、水道が壊れれば直してもらい、今回のように何度も晴太を病院への送り迎えもしてもらっていた。
常々、和貴子は三上に対し頭の下がる思いでいっぱいだった。
病院に着き、晴太が治療を終えた頃には夜中の12時も過ぎていた。
外は更に大雪で、病院の守衛の話しで、この大雪に国道は通行止めになったとの事だった。
看護士に訳を話すと、晴太は朝まで病院に泊めても良いとの事だった。
和貴子は、自分はこのまま病院の待合室で朝まで待つから、三上には近辺のホテルや旅館に泊まる事を勧めた。
「この待合室では朝までは寒いから、義姉さんも体調を崩したら晴太君も困るだろうから、一緒に旅館に行くように」
三上の申し出に和貴子はためらいを隠せないでいた、三上と出会ってからは事あるごとに三上に言い寄られていたからだった。
「でも…」
「そうですね、治療が終わればこの待合室のヒーターも弱めますから、朝までは寒いですよ」
側で聞いてた守衛も和貴子に他に泊まる事を勧め、和貴子は仕方なく三上と近くの宿を探し、朝にまた晴太を迎えに来る事を決めた。
深夜というのもあり、近くのホテルや旅館は満杯で、ホテルのフロントが紹介してくれたのがラブホテルしか空いてないとの事だった、それでも帰る事もできないまま三上と2人でそこに入る事にした。
部屋に入ると、心配してるであろう祥子には温泉旅館に泊まる事を電話で告げた。
「コーヒーでも入れますね」
和貴子は上着とバックをソファーに置くと、備え付けの棚からコーヒーカップを取り出しポットのお湯を沸かした。
三上もテーブルを前にソファーへと腰を下ろし、テレビを点け画面に顔を向ける。
三上はテレビに視線を置きながらも、視界に入る和貴子の姿も目で追ってしまう。
和貴子は急な出来事に、上はグレーのセーターに下はデニムのジーンズのラフな服装普だった。
それでもジーンズはぴったりと和貴子の下半身を包みこみ、尻や太腿のむっちりしたラインを浮き立たせていた。
棚からコーヒーカップを取ろうと前屈みになれば、大きな丸みのある尻が強調するように三上の前で突き出されてしまう。
三上はジーンズの下ろした和貴子の下半身を思い浮かべ、下腹部が熱くなるのを感じ始める。
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