私の出品に一番関心を持ったのは、香月であった。
プロフ写真が更新され、口元が写っていた事で推測は確信に変わった。
もう、これはチャンスだとしか思えなかった。
あんな大人しそうな女が、こんな事するなんて・・・。
金欠だった香月は、高騰するであろうオークションには参加せず
チャットにちさとを誘い込む事を考えていた。
メールは運営経由で送る事が出来る、その上でチャットに誘えば
直接接触できる、後はちさとがどんな反応を見せるか・・・。
歳上には好感を持ってもらえるタイプの香月はメールを入れた。
ーフォレストハイ さん
いつもお綺麗ですね。
お仕事中のあなたも素敵です。
直接メールでお話ししたいと思います。
あなたのポストにメアド入れておきます。
あなたのファンよりー
夕飯の支度をしていた私のスマホにメールの着信を知らせる音がする。
また、購入者のメールかななんて・・・。
内容を確認して、凍りつく・・・。
どういう事なの・・・。
自分の存在が誰かに知られている・・・。
しかも、ポストに投函するって・・・。
得体の知れない恐怖が私を襲う・・・。
何かの間違い?・・・、安全じゃ無かったの・・・。
そう思うとすぐにポストを見に行く勇気が出ない・・・。
でも、主人が帰って来ればポストを見てしまう・・・。
私は仕方なく階下にエレベーターで向かってしまう・・・。
香月はポストにメアドを書いた手紙を入れるとその様子を
監視している。
夫に知られて困るならすぐに取りに来るはずだ。
エレベーターが降りて来ていた、これではっきりする・・・。
フォレストハイの正体が・・・。
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