もう後30分ぐらいでパーキングに到着する。美香が語り始める。
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女子大のときってほんまにモテキやってん。
ある日、友達に「応募しない?」って誘われて、今でいうとマッチング系の会社の審査に合格したら、会社主催のパーティー系とかのコンパに無料で参加できるみたいなのがあったの。そこって普通の女の子は入れないのよ。履歴書書いて、面接あって、試験あって合格しないと入れないの。
その当時、女学院とか南女とか、いわゆるお嬢様女子大の現役の子とか、そこ出身の女の子が沢山在籍するみたいなところなんだけど、遊びで履歴書書いたら、そこに私も入れてん。
会社からメールがあって、パーティや合コンの連絡が入るの。金曜と土曜はほぼパーティや合コンが開かれていて、選び放題だったわ。友達と3人で登録してて、パーティー系の飲み会とか、少人数制の合コンとか沢山あったから結構参加したの。男性はお金払って参加してたみたい。 20歳以上が条件で、男性は大学生、社会人がたくさん登録してたわね。 あの関学の彼とのことがあって、男不信になって、暫く男の人と付き合えなかったけど、時間がたつうちに忘れちゃった。
そこで出会って、付き合い始めたのが、神大の医学部の男。実家から大学に通ってるのは私と一緒で、関学の彼のときみたいに毎日は会えなかったけど、週1ぐらで出会って、外で食事して、時間があればラブホテルに行ったり、カラオケ屋さんとか、彼の友達の部屋借りてそこで抱きあってた。
彼の実家って普通のサラリーマン家庭で、苦学して医学部入ってたから、すごく真面目で、私なんかよりも凄くしっかりしてて、何より私のことを凄く大事にしてくれたから、彼のこと尊敬してたの。だから良いお付き合いだったと思う。
(私ね…セックスが大好きなんじゃないのよ。そこ、勘違いしないでね。関学の彼のときは、彼が一人暮らしで、そこに毎日行けたから、良く会ってただけで、セックスは結果だからね…それは言っとくわ)
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大学2回ときに地元で成人式があったの。成人式が終わって、下心満載の男の子達に飲みに行こうって誘われたけど、Kから「二人で成人式のお祝いしよう」って言われてたから、同級生の女の子の誘いも全部断って彼氏とその日は過ごしたの。神戸でも高めのホテルをたぶん無理して予約してくれてたのがスッゴク嬉しくて、その日はお泊まり。夜景見ながら、嬉しくて涙出たの思い出すわ。
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女の子って、実は男の子よりもエッチかもよ。M女の同級生の女たちが集まって飲みに行ったら、いっつもエッチの話しばっかりしてたわよ。何人の男とエッチしたとか、彼氏とのセックスのときの話とか軽く笑いながらするのよ。男の掛け持ちなんてみんな当たり前みたいな感じ。私、そういうのあまり好きじゃなかったんだけど、Kと付き合ってるときに一度だけ、他の男とエッチしたことあるの。このことはパパにも言ってないからね…内緒よ槌槌
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その人ね、友達の付き添いで行った例の会社のパーティーで知り合った社会人のM。年が10歳ぐらい上だったと思う。パーティーで結構、意気投合して、パーティーの後、私と友達、それとMとその友達の4人で北新地に飲みに行ったの。名刺も見せてくれたけど、一流企業のサラリーマン。北新地で4人で飲んだ後、「2人で飲みに行こう」って誘われて、「少しだけなら」ってことで、二人で飲みに行くことになった。
梅田の某有名ホテルの最上階のバーに連れて行ってもらった。カウンターが窓際に置かれてて、そこに座って見る夜景がとってもキレイだったわ。「今思うと可笑しくなるんだけど…私ね、そんときそんなとこ全然慣れてなかったんだけど、(何度も来たことあるわよみたいな)慣れたフリするのに必死だったの覚えてるわ(笑)」
Mから言われた。
「彼氏いるんでしょ?」。
「いないわよ…いたらパーティーなんて参加しないわよ」
「嘘つかなくていいよ…分かるよ…好きなの?その彼のこと」
「いつから気づいてたの?」
「北新地で飲んでるときからね」
「ごめんなさい…付き合って3ヶ月ぐらいの彼氏がいます。」
「じゃあ、なぜあのパーティーに参加するの?」
「友達に誘われたから。それに会社から勧誘されたパーティーとかにあんまり参加しないと登録切られちゃうんです…ごめんなさい」
「いや、いいんだよ。彼氏いたっていいんだけど、君はコンパニオンじゃないんだよ。参加することが仕事じゃないんだから。出会いを楽しもうよ。
……俺、パーティーであって君のこと好きになったんだ。ねえ、今日は彼氏のこと忘れて遊んでみない?」
彼の手がすっとスカートの中に入ってくる。そのまま、指先が太ももを過ぎて敏感な部分を触られる。彼の腕に手を置いただけで、抵抗しない私の態度に、彼が「今日は彼氏のとこに帰らないと行けない?」と聞く。思わず「ううん。大丈夫」と答えてしまった。そのままウェスティンホテルにチェックインし、エレベーターを二人で上がる。18階のデラックスダブルの部屋に入る。
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「Kに悪いと思わなかった?」
「いやな言い方ね…なんだか私がすごく悪いことしたみたい…君だって若い頃は遊んだでしょ?もうなんなの」
と言ったきり、美香は少しだけ黙ってしまった。前を向いて黙ったままの美香に、「ゴメン…怒ったの?」と問いかける僕の言葉を遮ぎるように、美香は「怒ったフリよ…びっくりした?昔を少しだけ思いだしただけ。嘘よ…もう昔の話よ」といい、少しだけ潤んだ目で僕を見つめながら、また語り始めた。
(続く)
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