スマホを覗き見た代償。そして・・開花⑩
仕事を終え、帰宅する前に会社で交流掲示板を開いて見ました。
『書き込み増えてるなぁ……ん?新着メッセージ来てるぞ。まさか……』
ドキドキしながら確認すると、送り主はみさきとなっています。
『おっ、夏美からか……どんな内容だろ』
不安と期待遠抱きつつ中身をチェックすると、そこには、夏美の率直な感想が書き込まれていました。
『夏美のやつ……ここ数日で色んな事考えてくれてるんだなぁ……妻にも落ち度があるなら…出来る範囲で協力したいって….どこまで応じてくれるんだろ……。
それに、俺の気持ちを気にしてる感じあるなぁ……不安なんだろうなぁこんな事……』
思っていたより色々考え、夏美なりに理解して応じてくれようとしていることがわかった俺はついに次の段階に進む決意をしました。
『とりあえずは、このメッセージに対して返信するか……』
『みさきさん。メッセージありがとうございました。率直なみさきさんの意見凄く参考になります。
自分の妻もみさきさんみたいに、出来る範囲でも応じてくれるといいんですが……。
あと、妻を愛しているかという事についてですが、それはもちろん愛してますよ。
だからこそ、抱かない事に対して不甲斐なく思いますし、抱きたくて……屈折した愛情がこんな性癖になったんだと思ってます。
だから、もし妻が他の男と行為に及んでも愛してる気持ちは変わらないし、より増すんじゃないかと思っています』
返信を済ませ、次の行動は移す為に妻にLINEを送りました。
『夏美お疲れさん。急に飲み誘われて行かないと行かなくなったから…行ってくるよ。
ごめんな、ご飯準備してただろうけど。
そんなに遅くはならないようにするから…』
次なる行動に移る為に、嘘の飲み会をでっち上げました。
何故なら、急な飲み会などが入った日には必ず妻はスマホを覗き見るのを知っているからです。
『あっ、あの人からLINEだ』
LINEを確認すると飲み会が入ったという内容
『飲みになっちゃったんだ……しょうがないよね。でも今日は別にいいかも…(交流掲示板の事が気になっていたため、早くチェックしたかったし)』
『気にしないであなた。急な飲み会大変だろうけど。気をつけて帰ってきてね』
LINEを返信し、子供達と食事を摂りましたがその最中も頭の中は交流掲示板の事ばかりで、早く子供を寝かせよう・・そんな事ばかり考えていました。
子供が寝た後、早速交流掲示板にアクセスすると主人からメッセージが届いていました。
『あっメッセージ来てる』
メッセージを見ると、主人の気持ちが綴られた内容の文章が・・・
『あの人…こんな風に思ってくれてるんだな……愛してるからこそ…不甲斐なくて…愛してるからこそ愛情が屈折しちゃったって……。
私こんな風に色々考えてたかな…子供産まれてから……マンネリ化も…私にも原因あったのかも…』
夫からのメッセージに何か心が・・動いたような気がして、その後帰宅した夫の事を朝よりはしっかり見る事が出来ました。
ただ、今まで何年も行ってきた習慣はこんな時でも止めることは出来ずに・・・。
飲んで熟睡している夫を横目に見ながら、夫のスマホを手にして、覗き見ると画面にはあの交流掲示板が・・・
(よし、やっぱりいつも通りスマホ覗き見てるなぁ夏美のやつ・・・)
背中に夏美の気配を感じながら、寝返りをうち
『…ん?夏美……えっ?それ俺のスマホ?!』
驚いたフリをして、夏美からスマホを奪い、
『あっ!?……夏美……中見た?……』
夏美は俯きながら声を発さずに黙って頷きました
『…………コクンッ……』
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