遥香は黙っていた。
俺は「そう言った訳で、以前現金が盗まれてね、そして昨日も…」と言った。
テーブルの上にカメラを置いた。
俺は「そこで…コレを隠しておいたんだ。」
遥香は何も言わなかった。
俺は「中身、見る?」
遥香「いえ…けっこうです。分かってますから…すみません…本当にすみません。」と素直に認めた。
背中を丸めて、うなだれて下を向いてる遥香から涙がポロポロ落ちていった。
一通りの事情も聞いた。
数社から借り入れがあり、返済が行き詰まっている事。返済する為にパチンコで増やしていた事。
そして、旦那には怖くて本当の事を話せないでいると言っていた。
俺は「これは社内だけじゃなく大変な事になるよ。」と色々な事を伝えた。
もちろんウソばかりだが。
遥香は「どうすれば良いんでしょうか?」と震える声で聞いてきた。
俺は「まだ…会社には報告してないよ。」と伝えた。
遥香は「えっ?」と驚いた表情になった。
俺は「犯人が誰か知ってるのは俺だけだよ。俺が黙っていればね。」と言った。
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