俺は頭を巡らせた。
「パチンコに負け込んだ時に、遥香が金庫から金を抜き取り、その金を元にパチンコをして勝ってから戻していたんではないか?
今、金庫は開かない状態だからキャッシングしたのか?
もしかしたらキャッシングの返済に使われたのか?」
色んな事を考えながら中華屋を出た。
帰宅する頃には、俺の中でほぼほぼ遥香が犯人だった。
俺は「でも、遥香は金持ってそうだけどな…子供無しの共働きだし…」と思いながらビデオカメラを用意した。
次の日、出勤してみると遥香はいつも通りの遥香だった。
仕事が終わりオフィスに誰も居なくなった頃に、金庫へ向けビデオカメラを隠してセットし帰宅した。
翌る日、俺のデスクまで遥香を呼び出した。
軽く仕事の話をした後、
俺は「ちょっと悪いんだけど今日は少し早くあがるわ。ちょっと妻から電話があってさ…」と言い、わざと遥香の前でポケットから小銭と一緒に金庫の鍵を引き出しに閉まった。
遥香は「そうなんですか。分かりました。お気をつけて。」と言った。
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