僕は、ちさとさんに試された気がしていた。
それでも、今朝の反応を見てもそれに対して怒っている気配は無かった。
それどころか、お昼を楽しみにしている感じさえしていたのだ。
僕は登校中に、ちさとさんの事ばかりが頭の中に渦巻いていたのだった。
今日の授業は、半日しか無いのに、その半日さえ長く感じる。
先生の声、クラスメイトの声さえ耳に入らない、授業中も休み時間もうわの空。
時計ばかりを気にしていた。
朝から形容し難い期待感は、下校の時間が迫ると共に高くなり、同時に僕の
緊張も増していった。
昨日の夜の事、早朝の視線を向けてウインクした様に感じた事、朝の挨拶の時
試された事など全てが頭の中を道々巡りしているのだ。
暫くして、やっと授業終了のチャイムが鳴った、後はホームルームと掃除だけだ。
全てが終わって、ちさとさんの家が見え出したの時には正午を少し回っていた。
いつもは、庭いじりをしているはずの時間、今日はちさとさんは玄関先には居なかった。
2階のキッチンから料理を作っている気配がした。
僕は小走りに、自分の家に帰り、身支度して家を出た。
母さんに買って貰った、よそ行きの服、下着も全て着替えた。
自分なりに、ちさとさんに失礼のない様に姿見で何度も確認して出てきたのだった。
ドキドキしながら僕は、ちさとさんの家のインターホンを押した。
『はーい、君 待ってたよ、どうぞ・・・』
そして、ドアーのロックが解除された。
『お言葉に甘えて、お邪魔しました、入ります』
今日も玄関に入ると、ちさとさんの匂いがした、どんな香水だか何だか知らないけれど
僕の鼻腔をくすぐる。
『よく来てくれたね、待っていたよ・・・どうぞ』
ちさとさん、今日はノースリーブの白いワンピース・・・しかもミニ・・・股下・・・
その上、生脚・・・僕のよそ行きなんて全く敵わない、こんな人がこの世に居るんだと
マジマジ見てしまう・・・。
『あら?私の顔に何か付いてるのかな?、さあ、行こう・・・君 』
『いえ・・・何でも無いです・・・お邪魔します』
僕はスリッパに履き替えて、ちさとさんの後に続いた・・・。
※元投稿はこちら >>