そして、また朝が来た・・・。
僕はいつもの様に、ちさとさんの観察を始める。
今朝は昨夜の事があり、少し躊躇していたが僕の観察の執念が優った。
いつもの様にファインダーを覗くと、ちさとさんはいつもの様にネグリジェでサンルームに顔を出す。
朝の風になびく、ちさとさんの髪・・・、そして朝日を浴びて神々しい迄に輝いている。
昨夜最初に、ちさとさんの唇が動いたのはなんと言ったのだろう?。
ダメだ、そこからの光景が浮かんでしまう。
ん、気のせいだろうか、ちさとさんが一瞬こっちを見た様な気がした。
こちらに気付いている?そんな筈は無い、僕は細心の注意を払って観察を続けていた。
しかし、ちさとさんはこっちを見てウインクした様に思った。
僕は一旦観察を中止して様子を見る事にしてダイニングに降りていく。
いつも通り学校に行く時間だ、僕はいつもの様に食事をして家を出る。
ちさとさんをやり過ごすには少し早く家を出ようと考えたのだ。
それでも、ちさとさんは玄関先に居た。
『おはよう・・・君 、昨晩は眠れた? うふふ・・・眠れなかったんじゃ無い
目に隈が・・・可愛いわ・・・、お昼待ってるからね・・・、いってらっしゃい』
僕の眠れなかった事を意識している、観察されている事を知っていると言うのか・・・
『お、おはようございます・・・、どうして・・ちゃんと眠りました・・え?』
僕は思わず自分の目の下を擦ってしまう。
『あ、嘘よ・・・気を付けて行って、帰って来たらうちにおいでよ・・・待ってるからね』
『う、嘘なんですか?・・・意地悪ですね・・、判りましたお邪魔します・・・行ってきます』
僕はなんだか少しの期待をこの時抱いていた、その期待がなんだか判らないまま・・・・
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